「異常」と「正常」の境界

うつ病の具合はだいぶよくなった。
通院の必要もとりあえずなくなった。
 
私の通っていた精神科には、いつも変わった人が多かった。
自分の鞄に落書きを続ける女子高生、受付の女性にどうでもいいことを話し続ける若い男性、数えればキリがない。
 
今までは彼らが「異常」で、「正常」な私と住む世界には境界があると思っていた。
でもちょっとしたことをきっかけに、私も「異常」の仲間入りをした。
「異常」であることを、理解できるようになってしまった。
 
 
 
ようやく気付いたことだけれども、「異常」と「正常」の壁は、すごく薄いのだ。
「異常」な世界に入るために、複雑な手続きはいらない。
 
犯罪にしたって、新興宗教にしたって、全ては「正常」との紙一重だ。
森達也が「A」「A2」で言いたかったことは、こんなことだったんじゃないかと思う。
 
 
私たちの社会は、自分と異なるものを「異常」と片付け、受け止めることをやめてしまう。
「異常」は遠くの彼方にあるのではなく、すぐそこにある。
それを受け止めながら、世界の多様さを「美しさ」と感じるられるようにありたいと願う。
 

4 Comments

  1. T
    2006年11月13日

    こんにちは、nagiです。
    体調、良くなったようでなにより。
    私も一時期、精神科と名のつくところに行っておりました。
     
    異常と正常の境界、ということでしたが、
    「ベロニカは死ぬことにした」P.コエーリョは読まれましたか?
    どのような感想を持たれるでしょうか。よろしければ教えてください。

    返信
  2. yusuke
    2006年11月14日

    前々から気にはなっていた作品なので、今日早速購入いたしました。
    読了しだい、メールいたします!

    返信
  3. 19mi
    2006年11月15日

    イクミです。「ベロニカ」私も読みました。
    友達が悩んでた時期に読んで、ちょっと理解できた気がします。
    併せてW.ライダー、A.ジョリーの「17歳のカルテ」なんかも同じような主題です。
    てか、バングラデシュ情勢は大丈夫なんでしょうか。
     

    返信
  4. yusuke
    2006年11月17日

    バングラデシュ情勢は、なんとかなるかな。
    ストライキが多くて、移動が困難みたいだけれども・・・
     
    「17歳のカルテ」も見てみます!

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