休暇中に考えていたこと

久々の休暇は、タイのサムイ島で過ごした。 帰りの飛行機の中で、このブログを書いている。35歳も目前となる中で、少し自分の仕事について振り返ってみたくなった。 ****** 27歳から始まった起業生活は30歳の頃に少し落ち着いた。僕自身がフルコミットしなくても、短期的には会社が回る仕組みができた。そこから3年間、32歳ぐらいになるまで、どうも仕事に本気になれなかった。 考えてみると、僕が必死になる原動力はいつも「生きていけなくなる」という恐怖心だったように思う。そして30歳になって会社が順調に回り始め、やっと少しだけ「生きていけなくなる」という恐怖から脱することができた。 「生きていけなくなる」...

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スタディクーポンを立ち上げようと思った理由

今でも時々思い出すのは、少年院から出たばかりのある若者。 6年前、まだ築50年の巣鴨のアパートで、不登校・中退の若者のための学習塾「キズキ共育塾」を開いたばかりの時のこと。 「実は、僕、この前まで少年院にいたんです」 入塾面談で、目の前の少年は話し出した。 10代の頃、僕の周りにそういう境遇の人は何人かいたので、 「そうなんだ」 と僕は返しただけだった。 その反応が意外だったのか、 「僕、大学に行きたいんです。心理学が勉強したいんです。なんとかアルバイトしながらキズキに通います。」 と彼は言ってくれた。 当時は、講師のアルバイト・インターンも少なかったから、僕が彼の授業を受け持つことになった。...

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スタディクーポンの立ち上げ

先週、facebookに投稿した文章です。 ****** ◎新しい挑戦を始めます。キズキだけの枠組みを超えて、仲間たちとともに「教育格差」の問題に取り組んでいきます。 みなさんこんにちは。安田です。 先ほど文部科学省で記者会見を行い、低所得世帯の子どもたちの教育機会を、社会全体で支えていくためのプロジェクトの発足を発表しました。 それが「スタディクーポン・イニシアティブ」です。 市民の皆様一人一人からクラウドファンディングで応援の寄付をいただくことで、高校受験に取り組む中学3年生の子どもたちが学習塾や家庭教師などに利用できる「スタディクーポン」を、一人でも多くの子どもたちに届けていきたいと考え...

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人それぞれに正義がある〜行動規範の重要性

組織が拡大する中で苦しんだことの一つが、「異なる価値観をどのように受け入れるか」ということだった。 例えば、商売は得意だけれども、きちんと納期通りに仕事ができない人がいたとする。一方で納期通りにきちっと仕事はするが、商売には向いていない人がいたとする。 その二人に対する評価は、おそらく「それぞれ」だ。 営業でキャリアを積んだ人は前者の人を評価するだろうし、バックオフィスでキャリアを積んだ人は後者を評価するかもしれない。(若干極端な例だけれども) 例えば、仲良く家族的な雰囲気で働くことが得意な人もいれば、ドライに仕事は仕事だと割り切って働く人もいる。 前者のような態度を良しとする職場もあれば、後...

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7年間を支えてくれた人たち

少し早いけれども、弊社キズキのOBOGに 誕生日を祝ってもらった。 2010年、会社を休職し鬱病の中にいた僕は、2011年に自分の人生をやり直すために起業し、そこから2年間、必死に働いた。 祝ってくれたOBOGの一部は、その当時大学に通いながら、インターン・アルバイトとして支えてくれた子たちだ。 2013年は一時的に疲れから怠けたけれども、2014年から2年間は日本の事業を拡大させながらも、海外進出にチャレンジした。たくさんの学びはあったけれども、国内事業とリソースが分散してしまい、海外事業が大きく伸びることはなかった。 これをただの挫折に終わらせないように、再びチャレンジしなくてはいけないと...

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NPO法人と株式会社に分けた理由

「なぜNPO法人と株式会社に分けたのか?」 先日、あるプレゼンで頂いた質問だ。 「NPO法人の中で受益者負担と、寄付型の事業を、部門で分ければ良いのではないか?」 もっともな質問だと思う。 これについては、非常に悩んだ決断だった。 「儲けに走ったように見える」と、周囲からもとても反発があった。 けれども、今後の戦略を考えた時に、圧倒的なメリットがあった。それは「優秀な人材の採用」だった。 組織が拡大するということは、「権限を委譲」しなければいけないということだ。人間の持つ時間は限られているから、自分の見ることができる仕事の範囲には限界がある。 だから優秀な人材を採用しなければならない。 NPO...

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「起業」と「経営」の違い

「起業」の時代はある意味で「楽」だった。 全ては自分の責任だった。毎年、目の届く範囲で、売り上げと利益を上げていればよかった。 自分の「ミッション」に沿った事業で、毎年160%の成長と約10%の利益率を確保できていた。 結果がダイレクトに見えることも楽しかった。 また「大きな意思決定の連続」であることも、楽しかった。 ミッションを定め、事業の中核を定め、マーケティング施策の柱を決め、(満足度と利益率が最大となる)現場のオペレーションを模索し、NPOと株式の二法人体制に変えて・・・ どれも毎晩うなされるようにして悩んだことだったけれども、毎日新しいことにチャレンジしていて楽しかった。 *****...

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残業とは経営陣の責任である

経団連が、残業規制に反対していた一連の出来事を見て、とても驚いた。 「残業なしで勝負できるビジネスモデルを創れません」と自ら言っているのと同じだからだ。 そもそもイケてるビジネスモデルがあれば、残業なんて必要ない。 「残業しなければ成り立たない」ビジネスモデルしか考えつかなかった時点で、経営陣としては能力不足だと言える。 例えば、営業系会社で働くある友人は、「夜にクライアントから問い合わせがあったらその場で対応しないと、クライアントは逃げてしまう。だから残業するんだ。」と言っていた。 しかし、競合他社がひしめく業界で勝負していて、競合と同じような価値しかクライアントに提供できないのであれば、残...

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不登校・中退と大学受験

今年も合格発表の時期が来た。 色々な生徒の合格報告が届く。会社が大きくなって僕と現場との距離はだいぶ離れてしまったけれども、それでも「キズキがなければ、引きこもりのままだった」という声を聞くたびに、明日も頑張ろうと思える。 ****** けれども、「〇〇大学に受かった」ということ自体は、社会全体にとってはプラスの意味もマイナスの意味もないと僕は思っている。 例えば、「慶應大学に受かった」というのは、塾の実績としては良いことかもしれない。 けれども社会全体で見れば、「A君が慶應大学に合格した分、B君は慶應大学に不合格になった」ということになる。 大学の合格者の枠が限られている以上、大学受験とは「...

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競合の登場と社会的意義

年明けから、弊社の社員向けに週報を書くことにした。 塾の校舎が代々木と秋葉原、行政から委託を受けている事業所が東新宿、中退予防のお手伝いをさせて頂いている専門学校・大学が全国にある中で、どうしても僕自身が現場と離れてしまっているからだ。 週報は毎週の経営課題の話が中心にしてるのだけれども、その中で僕個人の日々の雑感も書くことにしたので、ブログにもアップしておこうと思う。 ****** 安田です。みなさん、年末年始はいかがお過ごしでしたか? 33歳独身の年末年始は、友人たちと沖縄に行ったり大阪で天皇杯決勝を見に行ったりしていました。 そんな僕のプライベートの今年の目標は結婚です。 さて、今日の話...

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