教育とは何か。 親や教師が「あるべき子ども像」を押し付けることなのか。それとも、親や教師が「子ども自身の幸福」のために悩みながらも支援していくことなのか。 冷房の件には、日本の教育が抱える課題の一部でしかない。 教育関係者の「子供に我慢させるべき」という精神論が存在する限り、不登校は増える一方だろう。 (以前書いたように、平成の30年間で不登校の割合は3倍に増えた。 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55494 ) 実際、不登校当事者への調査によると「不登校の原因」に先生をあげる子は25%、学校の決まりをあげる子は10%存在している。 https://ne...
...卒業生からの内定報告
キズキの4年前の卒業生から、内定の報告。ずっとやりたかったテレビ制作の会社らしい。 引きこもりがちで、通塾さえ安定しなかった頃を思い出すと、別人のようだ。 やっぱり人は何度でもやり直せるんだな。...
人間には変えられるものと変えられないものがある
少し前の話だが、ある卒業生が急に訪ねてきた。 「怖くて死にきれなかった」 自殺を思い止まって、その足で1年ぶりにキズキを訪ねてくれた。椅子に座るとすぐに、ただひたすら涙を流していた。 30分ほど経って、ようやく状況を話してくれた。 大学でもアルバイトでもうまくいかず、「自分は普通になりたいだけなのに」と悩んでいた。 だから「僕なんて、普通の人より5年も遅れて働き始めたよ。」と僕自身の話をした。 子どもの頃の話、会社を4ヶ月で辞めて引きこもっていた頃の話、そして経営者になっても人間関係で問題を起こしてばかりで悩んでいると話をした。未だに普通には生きられない・・・と。 「安田さんは、人生焦りません...
...「長すぎた入院」
衝撃的なドキュメンタリーだった。 https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259602/index.html 統合失調症、軽度知的障害などの方々が、「経済発展に役立たない」という理由で何十年も病院に押し込められていたという事実。 「実家に帰りたい」という子どもに、「負担が重すぎる。迷惑だ。人生をやめてもらわないと。」とテレビカメラの前で堂々と発言する親。 ****** 僕はひきこもり支援の重要性を、「社会投資」として説明することが多い。TaxEaterがTaxPayerに変わることは、少子高齢化社会の中で必要だから。 そして、ひきこもり支援のみなら...
...スタディクーポンとアウトリーチ
最近は、週2回〜3回ぐらい、足立区でひとり親で生活保護世帯のアウトリーチ(家庭訪問支援)を、僕自身がやっている。 久々に現場に入れて、とても楽しい。 渋谷区で4月から開始するスタディクーポンは、 ・普通の子どもと同じような選択肢が提供されるため、スティグマを生まない。 ・民間資源を利用するため、効率が良く、量的なインパクトを出しやすい。 というメリットがある。 一方、教育へのモチベーションが高くないため、そもそも「塾を選ぶ」ことをしない家庭もあります。自ら支援の現場を探し通うことが難しい方もいます。待っているだけでは支援の現場に来てくれない方もいる。 そこで弊社は、足立区にて生活保護世帯のひと...
...弊社インターン生からの、スタディクーポンへの想い。
ひとり親の生活保護世帯から国立大学に入学した経験を持つ弊社のインターン生が、スタディクーポンについて熱い想いを Facebookに投稿してくれていた。 無料塾も素晴らしい支援の形だと思うけれども、一方で「自分に合った支援を選びたい」という当事者にとって、スタディクーポンは重要な支援の形なのだと再認識した。 ****** (以下、引用) 高校生だったとき、ぼくは東大を目指していた。 受験塾に通いたかったけれども、家にはお金がなかった。 当時(今も?)、子どもの貧困支援といえば、貧困世帯向けの無料塾が定番だったと記憶している。でも、小さなNPOがやっているような無料塾はレベルが低いし、善意を煮詰め...
...不登校の支援に必要なこと
僕が経営するキズキという会社のメイン事業の一つは、「不登校・中退経験者」を対象とした大学受験塾の運営だ。 不登校や中退を経験しながらも、「もう一度やり直したい」と願う若者たちが、僕たちのもとに通っている。 今は必死に頑張っている彼らであっても、相談に来た当初は「人よりも遅れてしまった」「もうやり直せないかもしれない」と悩んでいたことがほとんどだ。 そんなとき、僕はこんな話をする。 「学校がもし合わないなら、無理していく必要はないんだよ」 「不登校・中退でも、高卒認定試験合格して大学・専門学校に進み、楽しく生きている人は沢山いるよ」 こんな話をすると、不登校に悩む子どもたちは、うつむいていた顔を...
...福祉におけるウェブマーケティングの重要性
座間の事件を受けて、「死にたい」「自殺」などのワードで検索をかけてみる。 残念ながら、「福祉的な支援情報」は、そこまで多くは上位表示されていない。 困難を抱える若者への福祉的支援を考える時、インターネットは有効なツールだ。 スマホ時代になり、ほとんどの若者が、グーグルやツイッターで検索をする。 当然、我々若者支援者も、インターネット検索に詳しくならなければいけない。 グーグル検索の場合、 ・どのようなウェブサイトが、検索で上位表示されているのか。グーグルのアルゴリズムを知ること。 ・どのようなウェブサイトであれば、深く読み込んでもらえるか。読みやすい文章・デザインにこだわること。(離脱率等で、...
...スタディクーポンを立ち上げようと思った理由
今でも時々思い出すのは、少年院から出たばかりのある若者。 6年前、まだ築50年の巣鴨のアパートで、不登校・中退の若者のための学習塾「キズキ共育塾」を開いたばかりの時のこと。 「実は、僕、この前まで少年院にいたんです」 入塾面談で、目の前の少年は話し出した。 10代の頃、僕の周りにそういう境遇の人は何人かいたので、 「そうなんだ」 と僕は返しただけだった。 その反応が意外だったのか、 「僕、大学に行きたいんです。心理学が勉強したいんです。なんとかアルバイトしながらキズキに通います。」 と彼は言ってくれた。 当時は、講師のアルバイト・インターンも少なかったから、僕が彼の授業を受け持つことになった。...
...スタディクーポンの立ち上げ
先週、facebookに投稿した文章です。 ****** ◎新しい挑戦を始めます。キズキだけの枠組みを超えて、仲間たちとともに「教育格差」の問題に取り組んでいきます。 みなさんこんにちは。安田です。 先ほど文部科学省で記者会見を行い、低所得世帯の子どもたちの教育機会を、社会全体で支えていくためのプロジェクトの発足を発表しました。 それが「スタディクーポン・イニシアティブ」です。 市民の皆様一人一人からクラウドファンディングで応援の寄付をいただくことで、高校受験に取り組む中学3年生の子どもたちが学習塾や家庭教師などに利用できる「スタディクーポン」を、一人でも多くの子どもたちに届けていきたいと考え...
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