裁判傍聴

東京地裁に行ってきた。 韓国人の不法滞在事件と、強盗殺人事件、麻薬所持、の三つの裁判を傍聴した。     中でも、強盗殺人事件が興味深かった。 強盗に入った犯人が、留守宅だと思って侵入した家には家族三人がまだいたため、慌てた彼は三人を刺して縛り、電話線を抜いた後、逃走したという事件だった。 結果、一人が死亡、二人が重傷、となった。 そして、殺す意図まではなかったのか、それとも殺す意図まであったのか、というのが検察側と弁護側の争点だった。 (おそらく刑法上は、前者が殺人罪、後者が傷害致死罪になるのだと思う)   検察のプレゼンテーションはうまかった。 きれいなパワーポイントにあわせて、完璧に練り...

...

久々に「朝まで生テレビ」を見た

「朝まで生テレビ」を見た。といっても、1時間ぐらいで消したが。 相変わらず、参加者が言いたいことを言っているだけだった。 話題がすぐにそれるので、議論が発展しない。   論理的思考力がないのだろう。 ああいう大人には、なりたくない。     テーマは「田母神論文」問題に関して。 保守派論客が、ひどすぎた。最近は旧左翼系の運動家たちに辟易としていたが、保守もひどい。 年をとる、ということは、醜くなることと等価なのか。   田原総一郎が、「田母神論文の引用が間違っている」ということを指摘していた。 田母神氏はその文章の中で、青山学院大学の福井助教授の論文を引用していたのだが、その引用内容が間違って...

...

読む雑誌、ネットニュースなど

最近は時間があるので、テレビ、新聞、雑誌、本、ネットのチェックをしっかりしている。   テレビ(民放)は見ていてもイライラするだけ(連ドラは好きだが・・・)だけれども、新聞はちゃんと事象を分析しているので、まだ読む価値がある。 国際問題の分析などは、新聞を読むのが最も良い。   一方で、大手メディアはトヨタを始めとした有力広告主の悪口は基本的に書かないし(まぁこれは日経が一番ひどいらしいが)(http://www.mynewsjapan.com/reports/410)、ましてクロスオーナーシップで守られているメディア自身を悪くこと(http://www.mynewsjapan.com/rep...

...

自衛隊の論文事件

自衛隊の論文事件に関するテレビを見ていると、田母神氏自身の思想を否定するだけのものが多い。「先の戦争は侵略戦争ではない」という自由史観に対する、嫌悪だ。 「歴史教科書を作る会」が市民全体を取り込む運動として成立しなかった現在、一般的に見れば彼は単なるノスタル爺にしか見えないことには同意するけれども、そこだけだと論点がずれるなぁと素人なりの考えを持って報道を見ていた。 この事件の最も大きな問題は、自衛隊に政治的意見(特に最高指揮官である首相と異なる意見)を持つことが許されるのかということだ。それを許さないとする考え方を「シビリアンコントロール」という。   それともう一つ、航空自衛隊のトップがあ...

...

「武士道」なるものについて

ラストサムライとかいう映画が出た時、「サムライの魂を継ぐ全ての者たちへ」(正確には覚えていない)とかいうキャッチフレーズがCMとして使われていた。   ちなみに江戸時代の武士の人口は7%だ。約85%が農民。 私達「日本人」のほとんどは武士の魂など、ほとんど受け継いではいない(豊臣以前の兵農分離前の武士を対象とするなら、話は変わってくるかもしれないが)。     どっかの数学者が書いた、国家論が人気らしい。数学者が書いた国家論を読んでいる暇があったらプラトンの国家論でも読んでイデアについて考えていた方が何倍も有益なわけだが、作者のインタビューなどをいくつか読んでしまった。そしてこれがなかなかひど...

...

「知識」について

物事を考える上で、知識は絶対に必要なものだ。       ある大学の文化祭で私が代表を務めていたイスラエル・パレスチナの団体についての展示を行ったことがあった。メンバーの知り合いがたまたま文化祭に来ていたらしく、団体の展示に立ち寄ってくれた。彼らの会話が聞こえた。   「イスラエル・パレスチナの紛争って全部イギリスが悪いんでしょ。三枚舌外交だもんね。」   「そんな単純なものではない」と、思わず口を挟んだ。 そんなことだけで、イスラエル・パレスチナに生きる私の友人たちが、悩み生きているわけがない。   少し話してみると、歴史教科書を作る会の思想に共鳴しているという話だった。今までの「自虐史観」...

...

「伝統」について

「日本人の伝統を守れ」   よく頭の悪そうな方々が叫ぶ台詞だ。高校時代顔を真っ黒に焼き、ピアスをしていて、金髪であった私は、よく年長者の方々に言われたものだ。 そういうセリフをおっしゃる方々には、是非羽織袴を着て行動していただきたいといつも思っていたのだが、今週号のNewsweekの特集が「日本人とは何者か」だった。   Newsweekの東京特派員のCaryl氏が「日本らしさ」が失われていると嘆いた記事だったのだが、なぜか隣のページにコロンビア大学のCarol Gluckからの反論の記事が載っていた。   Newsweekの編集者が、この東京特派員の書いた原稿を「マズイ」と思い、反論をアメリ...

...

イスラム冒涜について

巷で話題となっている、ムハンマドの風刺画事件について。 今度まとまって意見を書こうと思っているが、少々思うことがいくつか。       「イスラエルは地図上から消し去るべきだ」と公然と発言する大統領を持つ国民が、宗教の冒涜について西欧諸国に対して暴力的な手段をもって抗議する。 イスラエルの存在を認めたくないというイランの大統領の発言も、イスラエルと中東との関係を見れば分かるが、それなら「イスラム原理主義によるテロの拡散を見ればデンマーク人の気持ちも分かる」なる反論もなりたつ。 更に言えばサウジアラビアの国教のワッハーブ派なんて、「スンニ派以外の人間は死んでも良い」みたいなことを教義としているわ...

...

容疑者

京大に通う三人の大学生が、女性を強姦したとの容疑で逮捕されたというニュースがあった。 友人のブログを読んで知ったことだが、容疑者の1人はその友人の友人らしい。真相はもちろん分からないが、容疑者は良い人柄であったと個人的には感じていたらしい。   容疑者らは否認しているようだし、実際に「不起訴」の可能性もあるだろう。         オウム事件についての映画「A」「A2」の監督である森達也はいう。 「逮捕は大きく報道されるが、不起訴はほとんど報じられない」 実際にオウム事件では多くの信者が不当逮捕、数日後釈放されたが、逮捕ばかりが報じられた。   極論すれば全ての人々があらゆる事件の「容疑者(=...

...