社会企業家論 by弟

弟がトチサコさんの講演会に行ってきたらしい。 その感想がなかなかおもしろかったので、コピペします。     ●とちさこさんのお話。 昨日、社会起業家の杤迫さんの講演会にいってきた。 昨日いた人含め、何かあれば色々と意見ください。 長くなるので。まぁ興味ない人はとばしてください。 行って良かったです。ほんとに。 けど、感動できたとかじゃなくて、がっかりとともに、 相対的に、客観的に、こういう人もいるんだな、って評価できたからって感じ。 杤迫さんは、東京銀行に入社後、日本はもちろん、メキシコなどのラテンアメリカでも銀行マンとして働き、若いころのメキシコの経験がきっかけで、貧困層のために金融を使って...

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大人になる、ということ

大人になる、ということは難しい。 それは金銭的なものだけではない。むしろ、金銭的なことに限って言えば、僕は「大人」だったと思う。 高校時代からアルバイトで必死に生活をしてきたし、大学時代はベンチャーで働いた給料や奨学金によって生きていたのだから。   そうではなくて「大人になる」ということは、何にも依存しない、ということだと思う。 地位にも名誉にも、恋人にも女性関係にも、そして家庭環境や過去の栄光にも。 つまり、自分の責任でいきていくという覚悟のようなものだと思う。   この一年間で色々なものを失ったけれども、そうでなければ「大人になる」ということの意味に気づけなかったんだろう。 そろそろ前を...

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to aim higher is to enjoy it purely

自分自身への「期待水準」と、現在の自分の姿が一致しないとき、人は苦しむ。 そしてその「期待水準」は、往々にして他者からの視線や承認によって創られる。   例えば、幼い頃から成績(=他者から与えられた基準)が良かった人は、いい大学に入れなければ苦しむ。 例えば、いい大学に入った人は、いい会社に入れなければ苦しむ。 例えば、「すごい人」になりたいと願う人が、「すごい人」になれなかった時、苦しむ。   「期待水準」に向かって努力することは大切なことかもしれないが、楽しいと思えることを楽しむことの方がもっと大事なことだと最近は思う。   ****** 「のだめ」の中で好きなシーンがある。 幼稚園の先生...

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臨床心理学

この一年ぐらい、ずっと関心があったのが臨床心理学だ。   村から売られてきたり、縫製工場での過酷な労働に耐え切れずにやってきたバングラデシュの娼婦街の人々が、なぜ自らを「生きている価値がない」と嘆くのか。経済的には貧しくないにも関わらず・・・ ある者はリストカットを繰り返し、ある者は恋愛に依存し・・・そういう中で彼女たちを救う仕組みはほとんどなかった。   パレスチナでも同じだった。 多くの者たちが親戚や友人と殺され憎しみの中で生きていたが、彼らを精神的にケアする仕組みが足りているようには見えなかった。 そしてそれらは、彼らを「自爆テロ」へと向かわせる。   会社に入ってからは山谷のホームレス...

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1つの線

20歳で大学に受かった頃は、まだ劣等感の塊だった。 同級生たちと違ってちゃんとした教育を受けたこともないし、英語も全くしゃべれない。 不安だった。   その秋に学生NGOの代表となった時(メンバーがいなかったからだが)、そして一定程度の成功を収めた時、自分に自信が付き始めた。 その後、ルーマニアで挫折した時に一度崩れかけたけれども、それでもまだ幼児的な全能感に満ちていた。 勘違いだったかもしれないが、人から認められることに慣れすぎていた。   だから、ビジネスも映画も国際協力も・・・・ 去年はどうやって両立させようか考えていたし、できると思っていた。   ****** 肉体的にも精神的にも自分...

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自分のペースで生きる

考えてみると、僕は走ってばかりいた。 家を飛び出した家族から離れた中学時代、不良少年だった高校時代、一日13時間の勉強をした二年間の浪人時代、イスラエル・パレスチナでNGO活動をしていた頃、急かされるようにしてルーマニアに飛んだ頃、バングラデシュでひたすら映画制作を模索したいた頃、次々と「難関」企業の内定を手にした就活・・・そして商社に入った。   僕は自分のペースで生きることを知らなかった。 社会企業家やら、ベンチャーの社長やら、そういった勝間和代的なものばかり目指していた。 自分を探しながら、他者の承認を求めながら、ただ走っていた。 痛々しい生き方だった、と思う。   ****** 「私は...

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恩人の死

今日の日記は自分の気持ちを整理するために書いています。   恩人がなくなった。5年前パレスチナで会った人だ。自殺だった。   3年前、ドキュメンタリー映画を作ろうとしている僕に、映像について一から教えてくれた人だった。 僕が使っているPC(映像編集用)も、カメラも、ヘッドフォンも、全て彼に選んでもらったものだった。 映像編集用ソフト(プレミア)は彼からもらったものだった。   有名なアーティストたちのPVやCMなどの編集で活躍していた彼だったが、去年ごろからよく「正しいことをしたい」と語っていた。 徐々に「お金になる」仕事をセーブして、自らが制作していたパレスチナのドキュメンタリー映画の仕事に...

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幸福について

最近は多少時間があるので、部屋でよくボーっとテレビを見ている。 今年の自殺者の数は過去最高のペースらしく、よく「自殺」についての特集がやっているのに気づく。 僕自身は自殺を考えたことはないけれども、精神的に強い人間ではないので、気持ちが分からなくはない。   ******  バングラデシュの娼婦街には一人、変わった女の子がいた。 "Foolish"と娼婦たちに呼ばれていた、ちょっと行動がおかしな彼女なのだが、僕の仕事を手伝ってくれていたバングラデシュ人にちょっとした好意を抱くようになっていた。   そんなある日、彼女は自分の腕を見せながら「あなたが私に振り向いてくれないから...

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やりたい仕事

何をしている時が、一番幸せだったのかなと最近よく考えている。   もちろん今の会社に入ったことは全く後悔していないし、当分は辞める気もない。 上司にも同期にも、仕事の内容にも、本当に恵まれたと日々実感している。   ただ、いつも僕はどこかに欠乏感があって、それを埋めるために一生懸命で、それは何も変わっていない。 そこそこいい給料もらって、やりがいのある仕事をして、夜遅くなる前には帰り、時に読書をし、時に友人とのみ、時に合コンに繰り出す・・・そんな生活は楽しいが、欠乏感は埋められない。   だから、イスラエル・パレスチナでNGOをしていた時のこと、バングラデシュの娼婦街に籠もっていた時のことを思...

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脱discipline

バングラデシュで映画制作を継続している後輩が、言っていた。 「ここでは、頑張らなくちゃいけない何かがない」と。   ホームステイ先のおじさんは、朝9時半頃のんびりおきて、10時半ごろ会社に行ったと思ったら、12時には昼飯を食べに家に戻る。1時頃に会社に行くけれども、4時には必ず帰ってくる・・・ もちろんバングラデシュにだって受験戦争はあるし、医者とエンジニアが最も名声が良いとされているし、そういう面倒な物事は山ほどある。 でも、自分と誰かを比較したり、周りの目を気にして無理な努力をしたり、そういったことが日本よりは少ないような気がする。 だからこそ、いつまでも「発展」しないのかもしれないのだろ...

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