「できる人」

僕はいつも、自分より頭の回転が早い人を見ると悔しくて、自分より語学ができる人を見ても悔しかった。自分より「優秀」な人たちに会うと、悔しくてしょうがなかった。今となって考えてみると、早慶ではなくICUに行ったのも、東大とのヒエラルキーから自由な気がしたからかもしれない。     MHで働いた後に思ったのは、「できる」の基準なんて曖昧だってことだった。 仮に、「できる」と定義を頭の回転の速さ、発想の豊かさと定義するならば、自分がMHの人たちに劣っていると感じたことはなかった。 けれども、仕事に対する真摯な姿勢とか、人を受け容れる温かさとか、そういったものを持つ人たちに僕は惹かれた。  柔らかさの中...

...

乗り遅れた就活

12月の半ば、バングラデシュから帰国し、僕は就活をはじめた。 秋のバングラデシュの滞在で、映画や写真に目処がついてきたのと、将来自分がどうありたいのかということについて、なんとなく答えが見えてきた気がしたからだ。     まず何人かの先輩が働いている(働いていた)外資系金融機関とコンサルをチェックした。 どうやら、すでにかなりの数の企業が選考を終えているらしい。ネットで色々調べていると、外資金融やコンサルに行きたい人の多くが、夏や冬にインターンをすることが分かった。 完全に乗り遅れたみたいだ。     そんなわけで、今あわてて就活をしている。 情報交換をする友人がほしい。とりあえず、三歳年下の...

...

目標

ブログに新年の目標なんて書くつもりはなかったのだが、諸事情により自分を戒めたく思った。   1、時間を守る 2、早寝早起きをする 3、健康に気を使う(野菜ジュースを飲む、体を鍛える)   もう大人なので、自分を律することをはじめていこうと思う。 寝坊したときのショックは、18歳の時のそれと比べて、かなり大きい。     それに付け加えて、   4、仕事を見つける 5、映画を完成させる   もこの一年大事。これからが勝負。 この5つが達成できたら、2008年は満足な年になると思う。...

社会性とビジネスについて part2

 新年早々前回のブログの続きだが、社会企業が出てきた背景には、「社会性」という付加価値が日本で受け容れられるようになったことが大きいと思う。たとえば、それはロハスブームを見れば分かるとおりである。    これまで資本主義の世界経済システムと環境汚染、貧困といった問題は、相反する事柄だと考えられてきた。たとえば、企業が途上国のコストの安い労働力を搾取するのをやめたり、環境対策を重視したりすることは、収益の減少を意味するからだ。ところが、このロハスブームのように、「社会的」であることが、商品に付加価値を与え、商品価値を高めるというパラドクスが生じてきた。これは、日本でも一部の消費者が「成熟化」して...

...

社会性とビジネスについて part1

この一年間、社会性とビジネスについてよく考えた。 今、この分野で、最も注目を浴びている某企業の成長と拡大を、間近で見ることができたからだと思う。     日本において、社会起業(社会企業)が語られるときの問題が、大きく分けて二つあると僕は考えている。 一つは「社会企業」と「社会起業」の混同だ。日本語の発音が同じであるせいで、この二つは混同されて使われているが、別物であることは漢字を見れば分かるとおりである。   そしてこれらには「ビジネスを通じて社会問題を解決しようとする企業」という定義がよく使われるわけだが、実際にはその対象のほとんどがNPO法人であるということが、もう一つの問題だ。事業それ...

...

分岐点

就活で久々に横浜に行った。   セミナーのあったビルは、浪人時代に100円弁当を買っていた場所のすぐ近くだった。お昼時になると、弁当を売りに何台かの車が来ていたのだ。 バイトもできず本当に金のなかったあの頃、昼の一時過ぎにオフィス街に行き、柱の影から弁当が100円まで下がるのを待っていた。 それでも、何かを掴もうと、もがいていたあの頃は、行き場のなかった高校時代よりも幸せだった。   その夜はいつものように、近所のマックに篭ってエントリーシートを書いたり業界研究をしたりしていた。   深夜0時を過ぎると、15,6歳の若者たちがやってきて、100円のハンバーガーをかじった後に、机の上で眠りに落ち...

...

青春について

忘年会シーズンがやってきた。昔の友人たちと会うことが多くなった。 あの頃は本当に楽しかったと思う。 自分が生きている世界が全てで、その中でただひたすらもがいていた。       髪を切った。 髪を黒くした。 ひげを剃った。   就職活動、である。 あの頃のように、熱くなれるもの(仕事)に出会いたい。...

勉強会

水曜日、勉強会をします。ちょうど先日、Y氏と僕が、S氏のブログ上で「社会企業とNPO」に関する議論をしたのをきっかけに決まりました。 最近定期的にY氏が行っている勉強会の第三回として行われます。 参加希望の方は連絡ください。7時からJICAの広尾です。   それにしても、同世代の熱く優秀な友人たちと、定期的に意見交換できるのは嬉しいね。 こういう人たちと将来何かできたらおもしろいだろうなぁと思う。     以下Y氏のブログより抜粋   勉強会の方向性はshunが提案してくれたのですが 「世界の問題に切り込んでいく自分なりのアプローチを見つける」 ということにしたいと思います。 この方向性の中で...

...

強くあるもの

帰国した。 取材対象である娼婦街には、結局4日間の滞在となった。   ドキュメンタリーの主人公であるショキには子どもが生まれていた。 彼女は17歳の時、ブローカーに売られて娼婦街にやってきた。「首都ダッカにいい仕事があるから」という言葉を信じて、ブローカーに連れられてきた場所が娼婦街だった。 処女性を重んじるバングラデシュにおいて、一度娼婦になった者は、社会に戻る場所がない。また保守的なバングラデシュにおいて学歴のない女性が、過去を隠して誰も知らない場所に行くことは不可能である。まして父親のいない子どもが生まれた今、社会が彼女を受け入れる余地はない。 イスラム教の指導者たちは言う。「彼女たちは...

...

近況

日本語が打てるネットカフェにきた。 通訳を派遣してもらったり、映像に関してアドバイスをしてもらっている現地のNGOの方と連日ミーティングをし、ドキュメンタリーの方向性を決めている。 だから、今もまだ首都ダッカにおり、ドキュメンタリーの現場であるタンガイル県には向かえていない。   端的に言えば、準備不足である。 今まで4回も撮影をしてきたので、離日前に今回の計画をもっと立てられたはずだった。 ドキュメンタリー製作も半ばを超えたため、シナリオ作りが重要になってくるのだが、それを日本で十分にしてこなかったのである。   そんなわけで、外国人居住区のカフェにこもる日々が続いている。 あと一週間で帰国...

...