ICU

今月の卒業がほぼ確定しました。 単位は無事、取れたようです。  (そして7月からはバングラデシュで語学学校に通い、10月からはフィリピンで数ヶ月働きます。)     四月に入ってから、週に一度は大学の同級生と会うようになった。 彼らの多くは三月に卒業したんだけれども、「卒業してからICUという環境のありがたさを分かった」と、皆口々にいう。   大学の同級生たちとは、専攻も興味対象も全く違ったとしても、どこかで分かり合えるが不思議だなと思う。 大学受験の時に、早稲田や慶応や上智ではなくて、あえてICUを選ぶあたりが、自我の強さというか、「他人は他人、自分は自分」というICU生らしさを作っているの...

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やりたいこと

外資コンサルには断りを入れた。 そして某マスコミからは正式に内定を頂いた。     最近、心の底からやりたいことがない。 年月が過ぎれば過ぎるほど、本当にやりたいことは三年前の夏にやってしまったという思いが強くなる。 イスラエル人とパレスチナ人と一ヶ月間、共に暮らしたこと、けんかばかりしていた人間たちが最後に大泣きして別れたこと、そしてそういう舞台を一緒に創り上げた後輩に恵まれたこと、そういうものが全て重なったかけがえのない経験だった。地位、名声、金、そういたったものを無化してくれる貴重な経験だった。   しかし逆にそれ以降、自分が何に感動できるのか、何がしたいのか、何に熱くなれるのか、そうい...

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主体と構造

卒業論文にも書いたが、主体と構造のせめぎ合いの中で世界は創られていると僕は考えている。   ある主体の行為の原因の一部は構造にあり、構造の原因の一部は主体の行為にあり、そしてそのせめぎ合いと偶発性(バングラデシュの娼婦たちの場合は、結婚、妊娠によるself-esteemの回復)が私たちの周りの社会を創っているのではないか。 ギデンズの言葉を借りれば、「私たち一人一人の人間はその行為を通じて社会的世界を創るのと同時に、その社会によっても私たち自身が作り直されていく」ということだ。       仮にそのようにして世界が成り立っているとすれば、行為のどこまでを主体に帰することができるのだろうか。  ...

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マスコミ

「庶民と感覚がかけ離れている」 と、マスコミは官僚を叩く。   でもちょっと待って欲しい。 彼らのほとんどが一流大学を出て国家一種試験を通った人間たちだ。 それなりの待遇が必要でしょう。   官僚になる人間は皆基本的に優秀なので、就活をしてもそれなりの会社に内定をもらっている。 外資金融フロントなら二年目で年収1000万は越えるし、コンサル・大手商社だって30歳前には1000万超える。 でも官僚になってしまったら、40歳手前ぐらいか。(それでも「天下り」がある頃は、割りにあったと思うが) いつだったか、「東洋経済」で我がICUが、「卒業生の平均給与全大学トップ」であったのを見て首をかしげたが、...

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現状に対する悲観的、かつ肯定的な認識

僕の仲の良い人間たちの間で、会えば必ずといっていい程出る言葉が、「意味と強度」だ。 このブログを読んでいる人の半分以上は知っていると思うし、それぐらい宮台真司が悩める僕らの世代に与えた影響は大きかったように思う。 まぁ僕の周りが異常なだけかもしれないが。   *******   これから書くことは、一部の人を除いては全く意味不明のことだと思う。 ただ、この一年ぐらい自分で考えていたことをまとめたいと思い、他者の言語ではなく、自分の言語で書いてみる。   *******   僕はこの二年間、過去の楽しかった思い出にすがって生きてきた。 それは特にイスラエル人・パレスチナ人と過ごした夏の思い出であ...

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荒川区在住無職

タイトルは7月からの身分です。 4月の入社まで何をしようかと日々悩んでます。 1ヶ月だけの休みなら、ただ旅に出るのだけれども、9ヶ月もあるとなぁ。     目標は三つ。 1、バングラデシュでの映画を完成させる 2、海外で働く(本当はバングラデシュで中古電化製品を売るビジネスをやろうと思ったのだが、今とてつもないインフレ状態なので・・・厳しい。バングラデシュで日本料理屋とゲストハウスを開く案も自分の中ではある) 3、未知の国に行く(候補はハイチ、アゼルバイジャン、スーダン)     7月からはバングラデシュ、8月後半はイスラエルに飛んで友人の結婚式に主席、その後一ヶ月ぐらい旅をして(エジプトから...

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卒業論文提出

卒業論文を提出した。 バングラデシュの娼婦たちの様子を「主体」と「構造」という二つのキーワードで描けた。 ワードで60ページあるので、ここにアップできないのが残念だけど、見たい人がいたら是非言って欲しい。(何年か働いたら大学院に戻る可能性はかなり高いので、論文への意見が聞きたいっす。)   理論的にはギデンズの「構造論」などを使ったんだけど、娼婦たち「主体」が「構造」によって翻弄されながらも、「主体」が「構造」を変えていくような可能性を示せたという点で、自分にとってはかけがえのない論文が書けたと思う。   ある先輩が昔、「卒業論文なんて緑のマキバオーほどの価値もないことに気づいてしまった。」と...

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バウマンより

「近代性とはとりつかれたような前進ーつねにもっと欲しいから、ではなく、けっして充分に得ることができないから。もっと大きな志や冒険心を育てるから、ではなく、その冒険が苦くその大志が実現を阻まれているから。前進は続かなければならない。なぜなら、たどり就いたどんな場所も一時の停留所にすぎないから。」     社会学はキツイ学問だなぁと思う。 そして近代はもっときつい。 白石一文の「僕のなかの壊れていない部分」はバウマン的だなぁと思った。     卒論のデッドラインは明後日。かなり切羽詰まってます。...

ドキュメンタリーについて

ドキュメンタリーに関して、最近考えていたことをいくつか。 ******   先日某マスコミの面接を受けた。 いつのまにか、後一回で内定である。 外資コンサルへの返事は延ばすに延ばして今日金曜日にしてもらったけれども、それでもまだ決めかねている自分の優柔不断さが情けない。 今の僕には人生をかけてもいいほどの「やりたいこと」がなくて、だから全てを複雑に考えすぎてしまうのかもしれない。   ぬるい日々が続き、明日が見えない。そんな時間が二年も続いている。 強度だけで生きるのは、なかなかつらい。  ******   「複雑な世界を複雑なまま表現したい」 「何回か会っただけで相手のことが分かったかのよう...

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年をとった

よく「俺たちも年をとったよね」と若者が格好つけて言うことがあるが、そういうことではなくて、本当に時の流れを感傷的に感じるようになった。自分に対する欲が減ってきていて、それがどこか嬉しく、つらい。毎晩夜の街を彷徨っていた高校時代も、「何か」を為すために必死だった大学時代も越えて、今僕はフツーのサラリーマンになろうとしている。     就職活動の時に、10年ぶりに髪を黒くした。髪の長さだけはちょっぴり抵抗してみたけれども、チャコールグレーのスーツに無地の赤いネクタイを締めて大手町やら赤坂やらを歩き回っていたら、自分の見た目なんてどうでもよくなった。某社の内定者懇親会で、ガン黒金髪だった頃の話をした...

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