自衛隊の論文事件に関するテレビを見ていると、田母神氏自身の思想を否定するだけのものが多い。「先の戦争は侵略戦争ではない」という自由史観に対する、嫌悪だ。 「歴史教科書を作る会」が市民全体を取り込む運動として成立しなかった現在、一般的に見れば彼は単なるノスタル爺にしか見えないことには同意するけれども、そこだけだと論点がずれるなぁと素人なりの考えを持って報道を見ていた。 この事件の最も大きな問題は、自衛隊に政治的意見(特に最高指揮官である首相と異なる意見)を持つことが許されるのかということだ。それを許さないとする考え方を「シビリアンコントロール」という。 それともう一つ、航空自衛隊のトップがあ...
...筑紫さん
僕が大学に行こうと思ったのは、筑紫哲也のニュース23という番組がきっかけだった。 高校三年生になった頃から大学に行こうかなと漠然と思うようになり予備校に通い始めたものの、たいした目的もなかった僕はそれまでの遊び癖が抜けなかった。そんな感じで、1月のセンター試験も英語は90点(200点満点)ぐらい、古文に至っては一問正解、という散々な結果に終わった。 そのセンター試験の直前だったと思うのだけれども、なんとなく部屋でテレビを見ていると、アフガニスタンの空爆に関する特集が組まれていた。 かなり昔のことなので記憶は曖昧だが、アメリカでのアフガン空爆に関するインタビュー(アフガン空爆は当然だとい...
...この一ヶ月
日本でのニート生活も一ヶ月が過ぎた。 正直、限界だ。 この一ヶ月はお金がないので飲み会も極力避け、部屋で一人映画の編集をし、編集に飽きれば本を読み、本に飽きるとネットで過去の連ドラを見る、というような生活をしていた。 しかし、部屋でじっとしているのはキツイ。映画の方はやっと4分の1編集が終わったが、あと3倍も残っていると思うと、鬱になる。 ****** 先週は、親戚が住む函館にいた。 皆、初めて会う人たちだったのだけれども、意外にも打ち解けることができて、昼は函館を観光し、夜は親戚が経営するスナックでひたすら飲んでいた。地縁的、血縁的共同体の中で生きる人たちを見ていて、そういった生き方...
...「社会起業家」という欺瞞
僕は最近の「社会起業家」ブームに、なんとなく気持ち悪さを感じるようになった。 それは1つに、ある行為を「社会的だ」と信じる感受性の鈍さ、みたいなものによると思う。 前回グラミンバンクに関するブログでも書いたが、ある行為の正しさとはそんなに簡単には分からないと僕は考えている。 自衛隊派遣でも、靖国参拝でも、どちらが日本にとって正しいことなのかは判断の分かれるところだし、どれがいい年金制度なのか、どれがいい経済政策なのか、月一回金曜の夜偉い学者さんたちが朝まで議論しても、答えなんて出てはいない。それなのに、どうして「社会起業」という名がつくと、そういった問題の複雑性が覆い隠されてしまうのか、悲...
...外部者の視点、マイクロファイナンスを巡る言説
今日二度目の更新。 ****** 一昨年の秋バングラデシュを訪ねた時、農村のグラミンバンクを訪ねた。 グラミンバンクといえば、マイクロファイナンスの先駆けであり、開発を勉強する者たちの「憧れ」である。 マイクロファイナンスとは、無担保で小規模な資金を貧しい人に貸し付け、少しずつ返済してもらうシステムのことであり、これにより途上国の多くの人が貧困から脱出したと、言われている。 そしてビジネスという仕組みを通じたことで、寄付に頼るNGOと比べて、「持続可能」だとも言われている。 また、特徴として「女性に貸す」ことがあげられる。女性の方が、punctualだからだそうだ。この結果として、女...
...夢の所在
この二年間ぐらいは「バングラデシュ」一色だった。 何かを掴もうとして一生懸命だった一方で、色々な人と出会えたことは自分の財産になったと思う。 バングラデシュではずっと映画制作をしている。 僕はど素人なので右往左往しながら二年以上かかってしまったが、ようやく完成が見えてきた。 当然ここまでやってこれたのは僕ひとりの力ではなく、通訳を派遣して頂いたり、相談にのって頂いたりしているエクマットラというNGOの協力が大きかった。 http://www.ekmattra.org/ スタッフは渡辺さんという日本人一人と多くのバングラデシュ人学生たち。 彼がすごいのは「日本人」としてではなく、「バ...
...編集
毎日、映画の編集をしている。 PCに疎い自分としては、なかなかキツイ作業だ。 先ほど一部のテープの音声が小さすぎることを発見し、また3月現地で撮りなおしか・・・と、ちょっと鬱になる。 現在PC上で修正を試みているが、イライラする。 ネットサーフィンは大好きだが、こういった細かい作業は苦痛である。 ****** 来週、函館に三日ほど行きます。曾祖母が住んでいる。(ほとんど会ったことはないのだが) 年が年なので、四月からの仕事が始まる前に会っておこうと思ったのです。 僕は家族・親戚に対してほとんど思い入れがないのだけれども、戸籍上の母が亡くなってからは、こういう家族関係のこともしっかり...
...ニート生活
日本に帰ってきてから三週間がたとうとしており、映画の編集がほとんど終わっていない現状に焦っている。 バングラデシュでものもらいに1度なった後、日本で4度ものもらいになっている。病院にも行っているのだが、原因不明とのこと。 体調がなかなか優れず、やる気が出ない。 そんなときに、ついつい時間を費やしてしまうのが、ネットで過去の連ドラを見ることだ。 基本的に深夜のしょーもないドラマが好きなので、最近は特命係長只野仁シリーズを全て制覇して喜んでいたのだが、今はラストフレンズにはまっている。シェアハウスがしたくなったり、東京の西側に帰りたくなったりしている。 ****** あと、とにかく金が...
...日本の貧困についてのrandom thoughts
昨日は、最近マスコミなどを通じて有名になってきた某NPOのセミナーにいってきた。 日本の貧困者のために、生活保護の支援手続きや生活保護相談などを行う団体だ。最近は「格差社会」特集などの雑誌を見るたびに名前を拝見していたので、結構気になっていた。僕自身、社会的にも経済的にも貧困だった時期があるので。 ****** 話を聞いてみると、 「政府は生活保護基準を上げろ」「国家は弱者を助けろ」 そればかり。どの質問に対しても、「政府がおかしい」と答えを誘導したがる。 あげくの果てには、「昔は年功序列社会で、賃金も年々上昇し企業が社会を守る時代だった。今は企業が人を切り捨てる時代だ。」と。 そこで...
...進路報告
先週、某マスコミを辞退しようやく進路を決めました。 商社に行きます。 こんなこというと失礼なのは十分承知なのだけれども、長期の「社会科見学」に行く気分かな。 僕は極度の負けず嫌いなので勿論必死に仕事はやるのだろうけれども、「商社」という仕事の内容にとりわけ魅力を感じたわけではないのは事実。 ****** けれども一方で、僕の関心は常に世界、特に途上国と繋がっていて、多分それはずっと変わらないんじゃないかと思う。特に今は「発展は人を幸せにしたのか」ということについてうだうだと悩んでいて、だからできるだけ自分の関心と近いところにいたい。 結局、外資コンサルで自らの市場価値を高め多くの収入を...
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