不登校の支援に必要なこと

僕が経営するキズキという会社のメイン事業の一つは、「不登校・中退経験者」を対象とした大学受験塾の運営だ。 不登校や中退を経験しながらも、「もう一度やり直したい」と願う若者たちが、僕たちのもとに通っている。 今は必死に頑張っている彼らであっても、相談に来た当初は「人よりも遅れてしまった」「もうやり直せないかもしれない」と悩んでいたことがほとんどだ。 そんなとき、僕はこんな話をする。 「学校がもし合わないなら、無理していく必要はないんだよ」 「不登校・中退でも、高卒認定試験合格して大学・専門学校に進み、楽しく生きている人は沢山いるよ」 こんな話をすると、不登校に悩む子どもたちは、うつむいていた顔を...

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NGOエクマットラの応援

◎学生時代お世話になったNGO「エクマットラ」のクラウドファンディングの宣伝です(スタディクーポンが終わったばかりで恐縮なのですが) https://readyfor.jp/projects/ekmattra55 私が応援しているバングラデシュのNGO、Ekmattra Japan エクマットラジャパンのクラウドファンディングの紹介させてください。 (本日、クラウドファンディング終了です) エクマットラとは、2003年に渡辺大樹さんがバングラデシュの大学生たちと立ち上げた、ストリートチルドレンを支援するNGOです。創設から14年、現在ではスタッフ50名を抱えるバングラデシュでは有名なNGOにな...

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相対的貧困とスタディクーポン

昔、テレビもシャワーも冷蔵庫もないバングラデシュの農村で、しばらく過ごしていたことがあります。 不便な生活でしたが、僕の目には、彼らが特段不幸には見えませんでした。バングラデシュの農村でも、東京と同じような普通の日常が営まれていました。 「隣の家にテレビがなければ、自分の家にテレビがなくても、不幸を感じない。」 その時に学んだことです。人は「周りとの比較」によって、不幸を感じる。 確かに、歴史上これまで多くの経済学者たちが、貧困とは「単に飯が食えない状態」ではなく、「一般の人々であればできることができない状態」にある、と考えています。つまり格差のある状態のことです。 ***** 日本の子どもた...

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福祉におけるウェブマーケティングの重要性

座間の事件を受けて、「死にたい」「自殺」などのワードで検索をかけてみる。 残念ながら、「福祉的な支援情報」は、そこまで多くは上位表示されていない。 困難を抱える若者への福祉的支援を考える時、インターネットは有効なツールだ。 スマホ時代になり、ほとんどの若者が、グーグルやツイッターで検索をする。 当然、我々若者支援者も、インターネット検索に詳しくならなければいけない。 グーグル検索の場合、 ・どのようなウェブサイトが、検索で上位表示されているのか。グーグルのアルゴリズムを知ること。 ・どのようなウェブサイトであれば、深く読み込んでもらえるか。読みやすい文章・デザインにこだわること。(離脱率等で、...

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夏のガザの思い出

少し前のことだけれども、昨年と同様、この8月はパレスチナ・ガザでのビジネスコンテストに参加した。 大学時代の先輩が立ち上げたガザの女性起業家を対象としたビジネスコンテスト「ガザビジ」。 その2回目がこの8月開催されたのだ。 パレスチナ・西岸地区には7回ぐらい訪れているけれども、ガザ訪問は昨年に引き続き2回目。 国連からのサポートなどがない限り、普通の旅行者は入ることができない場所。このビジネスコンテストのおかげで、去年も今年もガザに来ることができた。 ****** ガザの街を歩くと、ひと昔前のバングラデシュのように、多くの人たちの注目を浴びる。 「どこから来たのか?」 「何をしに来たのか?」 ...

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スタディクーポンを立ち上げようと思った理由

今でも時々思い出すのは、少年院から出たばかりのある若者。 6年前、まだ築50年の巣鴨のアパートで、不登校・中退の若者のための学習塾「キズキ共育塾」を開いたばかりの時のこと。 「実は、僕、この前まで少年院にいたんです」 入塾面談で、目の前の少年は話し出した。 10代の頃、僕の周りにそういう境遇の人は何人かいたので、 「そうなんだ」 と僕は返しただけだった。 その反応が意外だったのか、 「僕、大学に行きたいんです。心理学が勉強したいんです。なんとかアルバイトしながらキズキに通います。」 と彼は言ってくれた。 当時は、講師のアルバイト・インターンも少なかったから、僕が彼の授業を受け持つことになった。...

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スタディクーポンの立ち上げ

先週、facebookに投稿した文章です。 ****** ◎新しい挑戦を始めます。キズキだけの枠組みを超えて、仲間たちとともに「教育格差」の問題に取り組んでいきます。 みなさんこんにちは。安田です。 先ほど文部科学省で記者会見を行い、低所得世帯の子どもたちの教育機会を、社会全体で支えていくためのプロジェクトの発足を発表しました。 それが「スタディクーポン・イニシアティブ」です。 市民の皆様一人一人からクラウドファンディングで応援の寄付をいただくことで、高校受験に取り組む中学3年生の子どもたちが学習塾や家庭教師などに利用できる「スタディクーポン」を、一人でも多くの子どもたちに届けていきたいと考え...

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人それぞれに正義がある〜行動規範の重要性

組織が拡大する中で苦しんだことの一つが、「異なる価値観をどのように受け入れるか」ということだった。 例えば、商売は得意だけれども、きちんと納期通りに仕事ができない人がいたとする。一方で納期通りにきちっと仕事はするが、商売には向いていない人がいたとする。 その二人に対する評価は、おそらく「それぞれ」だ。 営業でキャリアを積んだ人は前者の人を評価するだろうし、バックオフィスでキャリアを積んだ人は後者を評価するかもしれない。(若干極端な例だけれども) 例えば、仲良く家族的な雰囲気で働くことが得意な人もいれば、ドライに仕事は仕事だと割り切って働く人もいる。 前者のような態度を良しとする職場もあれば、後...

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7年間を支えてくれた人たち

少し早いけれども、弊社キズキのOBOGに 誕生日を祝ってもらった。 2010年、会社を休職し鬱病の中にいた僕は、2011年に自分の人生をやり直すために起業し、そこから2年間、必死に働いた。 祝ってくれたOBOGの一部は、その当時大学に通いながら、インターン・アルバイトとして支えてくれた子たちだ。 2013年は一時的に疲れから怠けたけれども、2014年から2年間は日本の事業を拡大させながらも、海外進出にチャレンジした。たくさんの学びはあったけれども、国内事業とリソースが分散してしまい、海外事業が大きく伸びることはなかった。 これをただの挫折に終わらせないように、再びチャレンジしなくてはいけないと...

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NPO法人と株式会社に分けた理由

「なぜNPO法人と株式会社に分けたのか?」 先日、あるプレゼンで頂いた質問だ。 「NPO法人の中で受益者負担と、寄付型の事業を、部門で分ければ良いのではないか?」 もっともな質問だと思う。 これについては、非常に悩んだ決断だった。 「儲けに走ったように見える」と、周囲からもとても反発があった。 けれども、今後の戦略を考えた時に、圧倒的なメリットがあった。それは「優秀な人材の採用」だった。 組織が拡大するということは、「権限を委譲」しなければいけないということだ。人間の持つ時間は限られているから、自分の見ることができる仕事の範囲には限界がある。 だから優秀な人材を採用しなければならない。 NPO...

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