労働は美徳か

「ようやく社会人だね」という言葉を最近よくかけられるのだけれども、僕はこの「社会人」という言葉が嫌いだ。(前にも書いたけど) 労働=一人前の社会人、という発想は、ポストモダンのこの時代には全く馴染まない。   つまり、「労働」それ自体には、何の価値もない。僕は飯を食わなければいけないから、奨学金が切れてしまったから、親の支援が止まったから、働かなければいけない。 ただ、それだけのことだ。そもそも、労働が美徳だなんて誰が決めたんだ?   ****** そして労働によって夢をかなえることを美しいとする人は多い。 どっかの居酒屋チェーン店の社長が代表的である。   けれども、皆が夢なんて持っていたら...

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娼婦街で学んだこと

僕が三年かけて制作してきた映画について、このブログではあまり書いてこなかった。 なぜかといえば、そこにある世界のあまりの複雑さに、語る言葉が見つからなかったからだ。   ****** 映画の主人公であるSという女性は、村から売られ娼婦街にやってきた。 村から売られてきた女性たちは、「マダム」と呼ばれる有力者の元で3年ほど隷属的に働かされるのがこの娼婦街の慣習なのだが、僕がSと出会った頃、彼女はちょうどマダムの元を離れたところだった。   彼女は会うたびに娼婦という職業がいかに醜いか、僕に語っていた。 「私たちに、生きている価値はないのよ」   保守的なイスラム教社会であるバングラデシュにおいて...

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花見しません?

急なんですが、日曜花見しません? 大学時代のクラスメイトと、ICU(わが母校)で花見をしようという話になりました。   学外のみなさんも歓迎です。会社の同期も一人来るかも。 (ICUの桜並木は本当に美しいと思う)   サラリーマンになったり、サラリーマンをやめたり、20代というのは悩み多き時期。 語り合いたい気分です。...

まさかの配属

入社式だった。配属が言い渡された。 正確な部署名を書くのは控えるが、エネルギー・金属部門で石油・ガス関連の仕事をするらしい・・・ 一番人気のある部門だし、商社の花形なのだろうけれども、石油・ガス関連は一番携わりたくないビジネスの1つだった。サウジとかドバイに飛ばされたらどうしよう・・・アフリカかもしれない。 配属面談で、「ベトナムとかどう?」との問いに、「もっときついところに飛ばしてください、アフリカとか。」と返答してしまったことを今更後悔した。(タイに駐在して連日タニヤで接待されるのが、夢だったのだが・・・) 石油・ガス関連ビジネスは、僕が今問題意識を持っているフィールドと、余りにかけ離れて...

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開発だとか社会企業だとかの名のもとに

最近、日本でも社会企業という言葉があふれ始めている。 グラミンバンク、BRACなどに関する講演会に行くと、投資銀行や外資コンサルやらで働くいわゆるビジネス「エリート」たちの姿が目に付く。 「普段自分が行っている仕事が社会の役に立かもしれない」、そんな可能性を見出すことによって、必死に自尊心を保とうとしているようにさえ見える。   「開発」だとか「社会企業」だとかの名のもとに、自分たちの価値観を押し付ける。その押し付けがましさ、傲慢ぶりには、辟易とする。 現地語を話せるわけでもなければ、現地に長期間滞在したこともない、それどころか行ったこともない人さえいる・・・そういった人間たちが、自分の方が「...

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カンボジアでダラダラ

している。   イスラエル・パレスチナやバングラデシュと違ってこの国で何かしていたわけではないのに、雰囲気がすごく好きだ。 タイで飛行機を乗り換えるときは、つい寄ってしまう街である。   昨日夕方到着し、深夜まで川沿いでカンボジア人のバイタクのお兄ちゃんと飲んでいた。 相当飲んでホテルに戻り、起きてみたらもう昼を過ぎていた。   そんな感じで過ごしています。 さて、どこに行こうか・・・   過去に行ったことがあるのは、シェムリアップとシアヌークビルのみ。 どっかおもしろい街はないかな?    ...

タイでダラダラ

しています。 初日は深夜2時にホテルに到着し6時まで飲み、次の日は夕方に起床してサイアムスクエアの好きな店で買い物をし、今度は朝8時まで飲みました。 そして今日は夜に起きてネットカフェにいます。タイは物価も安いし、食事もおいしいので居心地がいいです。 また、なぜかしょっちゅう女性にアプローチをされることも、日本では全くもてない私にとってはうれしい限りです。(お金目当て?)   とはいえ、そろそろ飽きてきました。 悩むのは、ミャンマーとカンボジアのどちらに行こうか、ということです。 最後の一週間はバングラデシュで過ごしたいので、あと一週間しか東南アジアにいれません。 特に仲の良い友達はいないが雰...

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またまた海外へ

今から海外行きます。   タイINのマレーシアOUTです。マレーシア・ダッカ間にAIRASIAが就航したためです・・・ 10日間東南アジアで学生時代の思い出をたどって、1週間バングラデシュで友人たちに会ってきます。 そして帰国したら、すぐに会社が始まる。   ウズベキスタン・キルギスに行きたかった。 コーカサス三ヶ国に行きたかった。 アフリカで破綻国家を見てみたかった。 中南米で美女たちに囲まれてみたかった。   20代のうちに行けるかな? さよなら、自由。...

某在留特別許可問題に関する雑記

法律は素人なので的外れな考えかもしれないが、これは「法」と「正義」を分けて考えなくてはいけない。 不法滞在者に強制帰国という措置は、法治国家である以上、当然だと考えられる。法によって国家間での人の移動に制限をかけるのは、国民国家体制の中ではしょうがないことだから。 けれども、それが「正義」なのかと考えると話は変わってくる。バブル期、日本では多くの外国人労働者が、3K労働(きつい、汚い、危険)に従事していた。日本人がやりたがらない仕事を外国人たちが肩代わりして、日本経済は繁栄を享受した。けれどもバブルがはじけると、そのような「不法労働者」はこの社会に必要とされなくなる。そして追い出される。 それ...

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政治家・知識人の責任

A新聞の朝刊で竹中平蔵のインタビューが出ていた。 自身への非難に対し、「正規と非正規の賃金格差が問題であり、規制緩和の方向性は正しかった」ということを主張していた。   おっしゃるとおりだけれども、大臣在任中に「同一労働同一賃金」なんてやって来なかったことには、何の言及もせず。セーフティネットを張ってこなかった責任についても言及せず。 一方で、「私は政策の専門家」だとインタビューの中で答えていた。醜すぎる。   この国の知識人なり政治家というのは、自分の間違いを認めることができない。 そして社会もそれを許す。   イラク戦争に大賛成して、イラクに大量破壊兵器があると主張していた自称外交の専門家...

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