脱discipline

バングラデシュで映画制作を継続している後輩が、言っていた。 「ここでは、頑張らなくちゃいけない何かがない」と。   ホームステイ先のおじさんは、朝9時半頃のんびりおきて、10時半ごろ会社に行ったと思ったら、12時には昼飯を食べに家に戻る。1時頃に会社に行くけれども、4時には必ず帰ってくる・・・ もちろんバングラデシュにだって受験戦争はあるし、医者とエンジニアが最も名声が良いとされているし、そういう面倒な物事は山ほどある。 でも、自分と誰かを比較したり、周りの目を気にして無理な努力をしたり、そういったことが日本よりは少ないような気がする。 だからこそ、いつまでも「発展」しないのかもしれないのだろ...

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サラリーマン生活

生活がだいぶ落ち着いてきた。   ****** 大企業における新人の仕事とは、上から降ってくる仕事を効率よく正確にこなすこと、である。 特に人脈や知識・経験が重要な商社ビジネスにおいて、その傾向は強くなる。   それはそれで大事なことだとは思うのだが、「クリエイティブな発想力」は数年の間、全く求められない。 以前ブログには、「自由な思考」ができないという愚痴を書いたが、大学時代研究に没頭していたり、国際協力の分野にいたり、ビジネスを自分で興していたり、といった同期は、皆そこに悩んでいるようだ。   ****** とはいえ、課には恵まれた。 理不尽なことを言う上司もいなければ、無駄な飲み会も少な...

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人は弱い

今日は第二回山谷勉強会を開催した。 大学時代からの友人たちやその紹介などに加え、10人近く会社の同期が来てくれて、前回以上に盛り上がった。 詳細は、後々書く予定。   ****** 山谷の人々は、自らを「社会構造の被害者」だとする。 高度経済成長期が終わり、産業も高度化していく中で、取り残された人々だからだ。 不景気な時代、老齢の非熟練労働力を使いたがる企業なんてない。   しかし一方で、アルコール中毒で足元がおぼつかない人、賭け事でお金を使い果たす人、そういう人がいたとしても、彼らにとってそれは全て「社会のせい」である。 こんな世の中だから、酒でも飲まなければやっていけない、と。だから、政府...

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アフリカについて、文献教えて。

グローバル企業、特にエネルギー関連の企業が、アフリカにどのような影響を与えてきたのか勉強を始めている。 腐敗した政権と、それと癒着するグローバル企業・・・まずは簡単な本で知識の整理をしている。   アフリカは専門外なので、何かお勧めの本があったら教えて下さい!!   ****** 仕事と問題意識が重なり始めた。モチベーションは上がる。...

旧友

夕方、突然小学校時代の友人から電話がかかってきた。 放課後、毎日校庭でサッカーをしていた仲間だ。   彼とは小学校を卒業してから会ってないのだが、20歳の頃、一度電話があった。 ちょうど僕は大学に合格した頃で、彼は医学部を目指して三浪目を決めた時だった。 お互い落ち着いたら会おう、と話していた。   そして5年後の今日、再び電話があった。 「進路が決まったら連絡しようと思っていたが、タイミングを逃して今日になってしまった」と謝られた。 結局、彼は四浪して北陸地方の国立の医学部に合格、現在は四年生だという。 二浪している僕には、四年間自分を信じ続けるつらさが分かる。二浪目の後半でさえ、かなりつら...

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バンコクより

バンコクに来た。 ここはバングラデシュ、イスラエル・パレスチナ、に次ぐ自分の故郷だと言っても過言ではない。(ちなみに、三月も来ている・・・) いろいろなことを思い出した。   ****** 今ふりかえってみると、4月後半はうつ病の一歩手前だったような気がする。 自分の頭でちゃんと思考することができず、どこかがおかしかった。周りからも、そう見えていたように思う。 僕が今まで最も大切にしてきた「自由」という価値が、否定されてしまったように感じていたからかもしれない。   それは、たとえば9時から5時半まで会社にいなきゃいけない、とか、毎日スーツを着なきゃいけないとか、そういう種の「自由」だけではな...

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次回の山谷勉強会は5月10日

次回の山谷勉強会は5月10日になりました。 10日は参加が難しいという声が多かったのですが、先方の都合で10日昼1時頃からの3時間程度になりました。   内容はこれから詰めますが、テーマを決めて山谷に生きる人々(その多くがホームレス)と語り合う時間にしたいと思っています。 (今回は役人を呼べず。次回のために、厚生労働省でも、区役所の職員でもいいので、誰か紹介してくれませんか??)   皆様のご参加、お待ちしております。   申し込み、お問い合わせ等は yasudayusuke1005@gmail.com まで、宜しくお願いします。   ****** これから、タイに行ってきます。   4月は本...

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いい出会い

今日は友人の紹介で、アフリカ通の某大学の四年生の方に会っていた。 大学二年~三年の時にウガンダに留学、そして来月から大学を休学してフランス系アフリカ人が経営する投資会社のカメルーン事務所で働くとのこと・・・もちろん給料は出る。   弱冠21歳。   とはいえ生き急いでいる感は全くなく、ただ自らの問題意識に忠実に、かつ自由に行動しているように見えた。 問題意識に忠実に生きていくこと、自由に生きることは、一方でとてつもない努力を要求される。 問題意識を忠実に問い続けることは疲れるし、自由は時に人を孤独にさせるから。所属に代わる自己信頼を要求されるから。     負けてられないな、と思った。   *...

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ありたかった姿

NHKのプロフェッショナルで、アフガンやスーダンでDDR(Disarmament, Demobilization and Reintegration、紛争後の兵士の社会復帰プロセス)を担当していた瀬谷ルミ子さんが出演していた。http://ameblo.jp/seyarumi/ 実は4年前に瀬谷さんがアフガンから帰ってきた時、一度飲みに行ったことがある。(10人程度の飲み会だったので、もちろん僕のことは覚えていないだろうが笑) 次はスーダンでDDRのプロジェクトがある、とおっしゃっていたのを思い出した。   紛争の中で必死に自らの尊厳を守ろうとするスーダンの人々を見て、イスラエル・パレスチナ、...

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承認について

バングラデシュの娼婦街に初めて長期滞在したとき、一番仲良くなった女性であるSは、「私たちのことを忘れないで。また来て欲しい。」と言った。 僕はこの日を境に、3年間バングラデシュに通うことになった。   先月行った山谷勉強会の終了時、ホームレスの方々が「是非またやりましょう!」と嬉しそうに声をかけてくれた。 たくさんの人が集まって真剣に議論をして、「忘れた」わけじゃなくて、「知らない」だけなんだって伝えたかった。     人は誰かに褒められたかったり、愛されたかったり、喜んで欲しかったり、認めて欲しかったり・・・・・・そういうものによって生きているのだと思う。 忘れられてしまうことほど、怖いこと...

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