この一年ぐらい、ずっと関心があったのが臨床心理学だ。
村から売られてきたり、縫製工場での過酷な労働に耐え切れずにやってきたバングラデシュの娼婦街の人々が、なぜ自らを「生きている価値がない」と嘆くのか。経済的には貧しくないにも関わらず・・・
ある者はリストカットを繰り返し、ある者は恋愛に依存し・・・そういう中で彼女たちを救う仕組みはほとんどなかった。
パレスチナでも同じだった。
多くの者たちが親戚や友人と殺され憎しみの中で生きていたが、彼らを精神的にケアする仕組みが足りているようには見えなかった。
そしてそれらは、彼らを「自爆テロ」へと向かわせる。
会社に入ってからは山谷のホームレスの方々と何度か勉強会をしたが、彼らが求めているものは「人間としての尊厳」だった。
「目の前の食糧」、だけではなかった。
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バングラデシュの親友の一人が僕に話したことがある。
「毎年の三万人以上が自殺する日本より、バングラデシュの方がマシだと思うわ。貧しくても、家族や地域社会で助け合って、幸せに暮らしていけるのだから」
娼婦街、首都ダッカのスラム街を除けば、バングラデシュではまだ地縁的・血縁的なつながりが維持されている。
けれども、これから訪れる近代化の波の中で、彼ら・彼女たちの幸せは崩れてしまうのかもしれない。
農村部から都市の縫製工場に流れてくる女性たちを見ながら、ずっと考えていた。
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というわけで、最近は臨床心理学を国際協力に生かすような試みに、関心がある。
でも参考図書がほとんどなく・・・今のところ一冊しか見当たらない・・・
何か情報があれば、教えてください。
2010年1月17日
お久しぶりです、お元気ですか?「臨床」は、僕自身の1つのキーワードになっています。その中でいくと、鷲田清和「聴くことの力-臨床哲学試論-」が良書です。臨床心理×国際協力という枠組み自体は、まだ確立されていないような感じを受けます。浅学の身ながら、取り急ぎコメントを。
2010年1月18日
>Tさんコメントありがとうございます。僕は比較的元気です。Tさんはお仕事いかがですか?鷲田さんの本、読んでみますね!ありがとうございます。