ヤンゴンから古代都市バガンに向かう15時間のバス。
夜7時ころ、日は沈み外は暗くなるが、バスの明かりはつかない。
前方のうつりの悪いテレビで、ミャンマーのコメディらしきものがやっていて、時折乗客の笑い声が聞こえる。当然僕には、理解できない。
何もすることがないので、目をつむり考えていた。
「もう旅は終わりにしよう。」
夜7時ころ、日は沈み外は暗くなるが、バスの明かりはつかない。
前方のうつりの悪いテレビで、ミャンマーのコメディらしきものがやっていて、時折乗客の笑い声が聞こえる。当然僕には、理解できない。
何もすることがないので、目をつむり考えていた。
「もう旅は終わりにしよう。」
ようやく気づいた。
僕は、二年前の夏から何も掴んではいないし、このままじゃ何も掴むことができない。
この二年間で積み上げたもの、それは事実という名の経験だけだった。
ルーマニアで働いたし、ITベンチャーでインターンもした。世界もあちこち回った。
本も200冊以上は読んだし、映画も山のように見た。今じゃ英語で新聞を読んだり、議論することにも、それほど難を感じなくなった。
でも何もつかんじゃいない。すべて、「経験」のために経験をしているだけだった。
最近いろいろな人から刺激を受けている。
インターン先の会社の社長や副社長、バングラデシュでお世話になっている現地NGOのディレクターさん。
地位とか収入とか、そんなものには目もくれず、ただ自分の感じたことに純粋に立ち向かっている姿が、輝いて見えた。
そして、僕が二年前から失っているものを、やっと思い出した。
この二年間、ちょっと休みができると、必ずどこかに出かけていた。のべ30カ国以上は回った。
それも今回で終わりにしようと思う。(もちろんバングラデシュには行くけど)
自分探しを続けたところで、自分なんてものは見つからないのだから。
2007年8月15日
旅を終わりにしようという気持ち、よく分かります。俺が世界一周を辞めた理由もそんな感じだよ。社長と副社長、本当に輝いているよね。眩しすぎるぐらいに。というかかっこいい。俺もここでインターンを初めて、自分がどういう風に生きたかったのかなんとなく分かった、というか思い出した気がします。