バングラデシュの友人たちは、都市の生活よりも電気のない村の生活を美しいと、よく話す。
もし開発(他動詞的な意味でのDEVELOP)が、バングラデシュのような途上国を、日本のような先進国にすることを意味するならば、そこにはたいした意義がないように思う。
確かに、日本人は経済的に豊かだ。しかしそれは、人間の幸せとは相関しない。
日本では、フリーターや派遣労働者でさえ、月に10万円以上稼ぐことができる。
多くの場合20万円近い。最低限の衣食住は確保される。
それなのに、なぜ秋葉原の事件をはじめとする日本の「貧困」問題は起こっているのか。
それは、人は「尊厳」によって生きているからだと 僕は考えるようになった。
「金銭」や「便利さ」によって生きているように見える人であっても、それは「金銭」「便利さ」がその人に尊厳を提供しているだけのことなのだと思う。
人は他者からの承認を求めたり、自分が守るべきものを守りたいと思ったり、そういった物事によって、時に苦しみ、時に喜んだりしている。
それこそが、バングラデシュの娼婦たちやイスラエル・パレスチナに生きる人々から学んだことだった。
世界は発展などしていない。「便利さ」と「発展」を混同してはいけない。
そこにあるのは、山のように降りかかる問題と、それにひたすら対処する人間の姿であるように思う。
ある問題が解決されたとしても、また問題がふりかかってくるだけのことであり、バングラデシュと日本の違いとはそれぐらいなような気がする。
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今日、久しぶりに娼婦街のある町から、首都ダッカに戻った。
今回初めて、彼女たちと心が通じ合った気がする。ちょっとだけだけれども。
もっと言語を覚えて、最貧国の「底辺」から世界を見てみたい。
2008年8月29日
ども 久しぶりです。もう体調はいいの?最近読んだ、姜尚中の「悩む力」は彼自身の若い頃の悶々とした社会への不満や悩みをつづったものでした。まさしく安田君の指摘する尊厳と承認がキーポイントにあげられてた。その後にマイケルムーアのSICKO観て、岩波新書の「ルポ貧困大国アメリカ」を読んで、先進国における人の尊厳というポイントを僕はやっと認識したっす。http://http://www.icualumni.com/interview/guest11.htmlこれ、参考になればいいな。少年事件。
2008年9月3日
具合は大丈夫。
「悩む力」は、俺の周りでも評判がいいね。俺も読んでみます。
尊厳の問題は、先進国だけの問題ではなくて、途上国でも同じなんじゃないかな。
日本の四十年前なんて、いわゆる「途上国」であったと思うのだけれども、三丁目の夕日みたいなノスタルジックな物語が作られるのを見ていると先進国になることが人の幸せにつながるのか、考えてしまうのです。