バングラデシュで考えていること 5

いままで、泣き言みたいなことはあまり書いてこなかったけれども、バングラデシュという国に滞在して、どうしてこの国が発展しないのか、分かった気がする。
 
たとえば去年も、ドキュメンタリーの翻訳を頼んでいたはずの人間が失踪し、その後別の者に翻訳を頼んだものの誤訳だらけだった、とい事件があった。
(その誤訳を、卒論として提出してしまったのである)
この国で信頼できる人を探すことがいかに難しいか、NGOや企業の人々の苦労を少しずつ理解した。
 
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去年ある友人に約45000円でビデオカメラを売ったのだが、20000円の支払いがまだだった。
今回の滞在で受け取る予定だったのだが、バングラデシュ到着後二ヶ月経っても連絡が来ず、彼の実家に電話をしてなんとかコンタクトをとった。
しかし、彼は悪びれもせず、
「お金を払うなんて言っていない。20000円は「お金があったら払う」といったんだ。」
 
結局、支払い日を決めるところまではできたのだが、決め手は
「バングラデシュのカルチャーがよく分かった。君の国では、そういうことが許されるんだね。日本だったら許されないから。」
という言葉だったように思う。愛国心のつよい人間たちだから。
 
それでも、お金が返ってくるか、定かではない。
 
 

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