最近は色々な人との出会い&再会があり、久々にわくわくして過ごしていた。
やっと今の自分を肯定することができたのかな。
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4年ぐらい前、社会起業とかBOPビジネスに関心があり、動向を日々キャッチアップしていたり、実際に自分も関わったりしていた。
けれども、バングラデシュで生活するにつれ、そこに大きな問題があることに気づきはじめていた。
最近では某衣料品メーカーまでもが「BOP」やらを謳っているらしいので、僕自身が感じていたそれらのビジネスに対する違和感を、今更ながら記載してみたいと思う。
(主にツイッターでつぶやいたことのまとめ)
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二年前からユニ○ロがバングラデシュに工場を作り始めた。中国の単純労働力の賃金が上がってきたためだ。バングラの法定賃金は月給約1000円。だからスラムに住んで縫製工場で働く。こうして労働力が安い国へと多国籍企業は移転していくわけだがバングラより安い国はない。
ユニ○ロに関して、文芸春秋のGW増刊号におもしろい記事があった。中国の工場で働く女性たちの過酷な勤務実態について書かれたものだ。ビジネスは社会のニーズに沿っている=社会貢献、などとよく言われるが、それは大きな間違い。
なぜ人のニーズを満たしているはずのビジネスが社会貢献と同一にならないのか。それは、社会・世界における格差の関係を無視した議論だから。確かに途上国の低賃金労働力は先進国の人間たちを「幸せ」にする。だが、途上国の低賃金労働力はそれで幸せになるのか?
「職を作っているから、途上国に貢献している」という安易な発想は辞めてほしい。
例えばバングラのグラミンフォン。BOPビジネスとして賞賛されているが、現地人の見方は違う。「あれはノルウェー資本だから儲かるのはノルウェー人だよ」と。
僕が言いたいのは、社会は多様で美しいが複雑であるということ。BOPやら社会起業など言葉遊びにのらずに、自分の頭で考えて欲しい。
(去年カンボジアにいた頃も同じことを感じていた http://yasudayusuke.spaces.live.com/blog/cns!14ECB3DBFA167A80!1590.entry)
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マイクロファイナンスは、ユヌスがノーベル賞をとるだいぶ前から国際協力の業界にいる人間たちにとっては話題となっていた。たまたま友人の友人がグラミンバンクで働いている関係で4年前にグラミンバンクで実際の農村を訪問したことがある。(関心のある方は、このブログ過去の投稿を参考にして下さい。「バングラデシュ」というカテゴリーに色々投稿しています。)
その時、借りたお金を何に使っているのかと村の女性一人一人に話を聞いてみると、「夫のCNG(小さいタクシー)を買うお金になった。」「夫の雑貨屋を始めるお金になった。」という話が7割以上を占め、女性自身で何かを始めたという話は少数だった。
ベンガル語が日常会話程度でも話せないと見えてこないことだが、「女性をエンパワメントしている」なんてのは、かなり疑わしいと思うようになっていた。
そんなある日、エクマットラ(http://www.ekmattra.org/JAP/index.htm)の方々から「マイクロファイナンス」について意見を伺う機会があった。
問題点を簡単にまとめると、以下の五点となる。
・マイクロファイナスに頼るNGO→寄付に代わる財源としてのマイクロファイナンス依存。その結果、借りる必要のない人にも、貸すようになる→返済できない農民
・みんなが「起業家」になりたいわけではない→マイクロファイナンスは、company employeeを作るシステムではなく、entrepreneurを作るシステムだから。万能な雇用創出策だと考えてはいけない。
・実は機能していない五人組制度→高い返済率の裏には、崩壊していく地域社会もある。借金を返せなくなった女性たちはどうしているのか、それを考えるなくてはいけない。
・「責任感の強い」女性がお金を借りても、多くの場合使うのは男性→お金を返せなくなった男性が、今度は別の女性と結婚し、借金を返済する例も。そのようにして、5人、6人と結婚する男性も出てきた。
・農村に急激な貨幣経済をもたらした
もちろんマイクロファイナンスが現地に与えた正の影響もある。が、負の面を持たない事業などほとんどないことは、頭に入れておくべきだと思っている。
2010年6月1日
多国籍企業は安い労働力をもとめて移動して行くけど(そればっかじゃなくてある程度の品質の製品を作れるのも重要なファクタ)そこから何をどう引き出すかは、その国にかかっているし政府の果たす役割は大きいと思うのです。それも難しいくなってるのが現実だけどね。。最近の流行にはちょっと飽き飽き。フェアトレードを流行らす前に、トレードをそもそもあるべきフェアな状態する方が全然効果あるじゃんね。(言うのは簡単)