格差を巡る論争の整理

朝テレビを見ていたら、竹中平蔵が出ていた。
 
派遣村の話題に関して、
「日本の貧困の問題は、正社員と非正規労働者の同一賃金がなされていないのが問題だ」
と、一生懸命自己弁護していた。
 
言っていることは正論だが、それをやって来なかったのはお前だろ、と。
見ていて腹立たしくなった。
 
格差の問題を正社員という既得権益VS非正規雇用として考える見方は、母校の八代教授を始め、池田信夫氏や城繁幸氏などに見られるし、妥当性があるとは思う。
 
ただ一方で、正社員を解雇可能にして既得権益をつぶした韓国の経済状況がよくなったかといえば、格差は拡大するばかりという話をちょくちょく聞く。
人間は自由であるべきだと僕は思っているので「正社員」という既得権益をつぶすことには賛成なのだが、韓国を見ているとそれが解決策なのか疑問が残る。(ような気がする)
 
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年始には一度、新宿の炊き出しを手伝った。
今までも何度か炊き出しを手伝った(別の場所でだが)経験はあったのだが、光景は今までと違った。
中高年のホームレスに混じって、こぎれいな格好をした20代の若者の姿があったからだ。
 
上下ともいまどきの服装、手に持ったユナイテッドアローズの袋(もうボロボロになっている)に、ちゃんと切りそろえられた髪型。
ちょっと前まで、僕と何も変わらなかったのだなぁと。
「本当にありがとうございます。」
と言われる度に、切なくなった。
親の脛をかじるだけかじり続けた僕と、ホームレスの彼との差は何なのだろう。 
 
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今年の目標に1つ追加したいのが、経済学を学びなおすということだ。
学生時代は、社会学・人類学など思想系の学問にしか関心が湧かなかったのだが、経済状況が人間の尊厳を規定する日本の状況を見ていると、経済学を勉強しなおしたいと思っている。
ミクロ・マクロとも、大学の時は初級でやめてしまった。

2 Comments

  1. figalo
    2009年1月11日

    こんにちは!私、大島と申します。安田さんとは一度MHcollegeでお会いしたことがあるのですが、挨拶程度しかできなかったので覚えてらっしゃらないかもしれませんね。でも、私は安田さんのこと強烈に覚えています!以前ビッグイシューのイベントに行って、ホームレスの方からお話をきいたのですが、ホームレスになった理由が、どこにでもありふれた、誰にでもふりかかってくる理由で(例えば最愛の人を亡くしたなど)その時、ホームレスは特別な人だけではなく誰でもなりうるんだ、私だってなる可能性はあるんだと思ったのを覚えています。だから、私はホームレスとそうじゃない人も基本的にはあまり変わらないと思っています。でも同じ状況に陥った時にそうなる人とならない人がいる。その違いは何なのでしょうか。山谷スタディーツアー、私もぜひ参加させて下さい。よろしくお願いします!

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  2. yusuke
    2009年1月13日

    MHcollageは一回しか参加していないのですが、あの時いらっしゃった方ですね。スタディーツアーについては、またブログ上でご連絡しますね!!

    返信

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