「私はダニエル・ブレイク」を観て、福祉と効率について考えた

「私はダニエル・ブレイク」を観た。昨年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した作品。 監督であるケン・ローチは、社会の流れに翻弄される弱者の側に立った作品を描くが、「私はダニエル・ブレイク」にも「どんな人間も名前を持つ一人の人間だ」という強いメッセージを感じた。 本作は、医者からは就労を禁止されている心臓病持ちの老人が、(イギリス版の)ハローワークで、「就労可能」と認定されてしまうことから物語は始まる。 「就労可能」と認定されたからには、「求職活動」を行わなければ失業給付金がもらえない。だから、老人は街の工場を歩き回って履歴書を配り歩く。 けれども、医者からは就労を止められているから、実際は働く...

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