残業とは経営陣の責任である

経団連が、残業規制に反対していた一連の出来事を見て、とても驚いた。
「残業なしで勝負できるビジネスモデルを創れません」と自ら言っているのと同じだからだ。

そもそもイケてるビジネスモデルがあれば、残業なんて必要ない。
「残業しなければ成り立たない」ビジネスモデルしか考えつかなかった時点で、経営陣としては能力不足だと言える。

例えば、営業系会社で働くある友人は、「夜にクライアントから問い合わせがあったらその場で対応しないと、クライアントは逃げてしまう。だから残業するんだ。」と言っていた。
しかし、競合他社がひしめく業界で勝負していて、競合と同じような価値しかクライアントに提供できないのであれば、残業が増えるのも当然だ。
付加価値が「時間差」しかないようなビジネスは、誰でも考えられる。

そして、そんなビジネスモデルでしか勝負できないのは、「経営陣」の責任である。

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もう一つ、「やるべき仕事」と「やらなくても困らない仕事」を分けられていないことによる問題がある。

ある施策を準備・実行している最中に、「そもそもこの施策をやる必要があったっけ?」と考えることは多いと思う。
それを防ぐために、事前にどれだけ考え抜いたかが、経営陣に問われる資質だ。(これは、経営陣だけでなくマネージャーにも言える)

有限な時間の中で「何をやるべきなのか」を始めに考え切ること、そのことで必要最低限のタスクに絞ることができる。
始めにイシューツリーを書き切り、「手戻り」をできる限りなくした方がいい。

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偉そうなことを書いたけれども、僕もかつては、そんな経営をしていた。
ちなみに、これについては年末もブログに書いた

僕の経営している会社は創業6年目で安定もしていないし、給与水準も普通の中小企業並みでしかない。
だからこそ働きやすさ、特に「労働時間」にはこだわらなければいけないと、途中気づくことができた。

採用活動をしていると、男女共働きの時代になったせいか、若くて優秀な人たちも「労働時間」に関して敏感になってきたのを感じている。
自戒を込めて、「残業を必要としないビジネスモデル」を今後も経営者として創っていきたいと思う。

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