著者の慎泰俊さんから献本頂いたため、遅ればせながら読書メモを書いた。 ルポ 児童相談所: 一時保護所から考える子ども支援 (ちくま新書1233) ****** 恥ずかしながら「一時保護所」についてあまり知らなかったので、とても勉強になった。一時保護所とは、「実家庭で暮らすことが最善ではない」と児童相談所に判断された子どもたちが、平均1ヶ月滞在する場所のこと。(その後、実家庭に戻れない場合、社会的養護や特別養子縁組を受けて、実親を離れ生活することになる。) 本書は、一時保護所の厳しい規律や、そこに滞在する子どもたちの精神的な不安定さについて、ルポ形式で描かれている。また、一時保護所にも「良い...
...残業とは経営陣の責任である
経団連が、残業規制に反対していた一連の出来事を見て、とても驚いた。 「残業なしで勝負できるビジネスモデルを創れません」と自ら言っているのと同じだからだ。 そもそもイケてるビジネスモデルがあれば、残業なんて必要ない。 「残業しなければ成り立たない」ビジネスモデルしか考えつかなかった時点で、経営陣としては能力不足だと言える。 例えば、営業系会社で働くある友人は、「夜にクライアントから問い合わせがあったらその場で対応しないと、クライアントは逃げてしまう。だから残業するんだ。」と言っていた。 しかし、競合他社がひしめく業界で勝負していて、競合と同じような価値しかクライアントに提供できないのであれば、残...
...不登校・中退と大学受験
今年も合格発表の時期が来た。 色々な生徒の合格報告が届く。会社が大きくなって僕と現場との距離はだいぶ離れてしまったけれども、それでも「キズキがなければ、引きこもりのままだった」という声を聞くたびに、明日も頑張ろうと思える。 ****** けれども、「〇〇大学に受かった」ということ自体は、社会全体にとってはプラスの意味もマイナスの意味もないと僕は思っている。 例えば、「慶應大学に受かった」というのは、塾の実績としては良いことかもしれない。 けれども社会全体で見れば、「A君が慶應大学に合格した分、B君は慶應大学に不合格になった」ということになる。 大学の合格者の枠が限られている以上、大学受験とは「...
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