バングラデシュで考えていること 2

バングラデシュの友人たちは、都市の生活よりも電気のない村の生活を美しいと、よく話す。 もし開発(他動詞的な意味でのDEVELOP)が、バングラデシュのような途上国を、日本のような先進国にすることを意味するならば、そこにはたいした意義がないように思う。 確かに、日本人は経済的に豊かだ。しかしそれは、人間の幸せとは相関しない。   日本では、フリーターや派遣労働者でさえ、月に10万円以上稼ぐことができる。 多くの場合20万円近い。最低限の衣食住は確保される。 それなのに、なぜ秋葉原の事件をはじめとする日本の「貧困」問題は起こっているのか。   それは、人は「尊厳」によって生きているからだと 僕は考...

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バングラデシュで考えていること 1

戸籍上の母親は亡くなったが、それでも僕はバングラデシュに来た。日本を出てから初めて、自分の行為が正しかったのかどうか、悩んだ。 一昨日まで入院していた。計6回半年強バングラデシュに滞在して、そのうち3回入院している。僕は途上国が向いていない。いや、バングラデシュが他の途上国と比較しても異常な気もする。ハエも蚊も物乞いの数も、世界一なんじゃないか。 地を這うようにしながら、世界を見上げてみたかった。物乞いやリキシャ引きたちの言語を覚えて、そこからどんな世界が見えてくるのか、感じてみたかった。「電気を通して途上国に貢献したい」、「投資環境を整えることで途上国に貢献したい」、そういう人たちと話すにつ...

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