社長、めちゃくちゃカッコ良かった。
スタッフとしては誇りに思えるし、二歳しか離れていないことを考えると悔しく思ったりする。
番組の中で、「自分で見て考えたことしか信じない」っていう社長の言葉があった。
僕も全く同じポリシーを持っているから、その点でもすごく共感している。
それに、見たこともない世界のことを語るのは、そこに住む人に対して失礼だと思う。
けれども矛盾を感じるのは、MHに共感している多くの人がバングラデシュを訪れたことはないということ。
それどころか、これまで途上国の開発にどのような問題があったのか、本さえ読んでいる人は少ないんじゃないか。
全ては社長の生き方に共感し、その言葉を信じているに過ぎない。
MHのやっていることが、本当に現状を変えることになるのか、疑うものはいない。
非常に逆説的だ。
僕は、そんな「見ていないものを信じる」姿勢に、すごく疑問を感じる。
というのも、僕自身五回、計半年以上バングラデシュに滞在したけれども、分からないことだらけだからだ。
ビジネスで全て途上国の貧困が解決するのだとしたらそれはネオリベの極みだし、だから「途上国をビジネスによって発展させる」といった理論は、開発学の領域では使い古された感がある。
また、多くのNGOが収益性の高いマイクロファイナンスに集中し、教育・保健といった他のセクターが疎かになっているという嘆きを、現場のエリート層からよく聞く。どっかの国と同じ問題を抱えているわけだ。(バングラデシュは政府が腐敗しているから、NGOがその代わりになる)
(もちろん、自助努力を促すような開発のあり方は、まだ確立されていないようだし、その意味でMHのやっていることはすごく大事なことなんだけどね。)
ただ、それでもMHのやっていることに、すごく価値があると信じているのは、「ビジネスを通じて」という言葉の先を行って、「途上国の価値」という言葉を創りだしたからだ。
僕はこの「言葉」に共感した。
イスラエル・パレスチナ、バングラデシュに生きる人々から多くのことを学んで受け取ってから、「援助」という一方通行ではない形で、彼らに関わりたいと考えるようになった。だから二年半ぐらい前は「エコ・ツーリズム」(途上国の自然を生かす)とか色々考えていたんだけど、なかなか成功しそうな事業は思いつかなかった。そんなとき、MHのことを知った。
あれからずっと考えているのは、途上国といわれる国々が、単なる「援助の対象」でなくなったら、世界はもっと多様で美しくなるはずだってこと。
地域と地域の価値をつなぐことで、世界を豊かにできたらと思う。
その「価値」が、人の心をちょっとだけ豊かにするんじゃないかなと。
「言葉」がもたらすパラダイムシフトを信じたい。やっぱりconstructivismに惹かれる。
2008年3月18日
「自分で見て考えたことしか信じない」って、ある意味危険だと思うけど。いかがでしょう?
2008年3月18日
俺けっこう最近よくみんなとそういう話するけどさ、MHの事業が社会を良くすると素朴に信じている人はMHのスタッフにはいないと思うよ。第一、良い社会ってなんだよっていうね。まあでも、そんなことをいつまでも考えていても生産的ではないよね。もちろん認識することは重要だとは思うけれど。俺がMHで毎日睡眠時間を削って働いているのは、理念に共感云々ではないんだよね。別に山口さんに憧れてとか、何かを学びたいとかそんなことでもない。ただ純粋に、ここで働くのが「楽しい」から働いている。だからこそ、今はMHで働いていて最高に楽しい。他のスタッフのみんなも、同じようなことを言っていたよ。4月からスタッフが足りないみたいだよ。早く復帰しなよ。
2008年3月18日
おお久しぶり。
ちょっと表現が抜けていたかも。
「人のいうことを信じていたら、失敗した時その人のせいにしてしまう。」っていう文脈だった。
あと、「人の言っていることを、100%は信じない。」ってことなんじゃないかな?
できるだけ「自分の目で見る」っていう姿勢を大事にしたいってことだと思う。
あとでビデオをブログ上にアップします。
2008年3月18日
>Shun
スタッフのことではなくて、お客さんはその辺どう考えているのかなって、前から思ってたんだよね。
もちろん全て自分の目で見るなんて不可能なんだけど。
俺はどこに就職するにしろ、「日本と途上国が今後どのように関わっていくのか」ってのは、一生離れられないテーマだと思うから、この辺のことはずっと考えたいな。強度だけでは生きられないから。
2008年3月19日
逆説的だけどさ、「意味」があると思えるからこそ楽しいよね。
2008年3月21日
>shun
俺は「意味」が消えると楽しめなくなっちゃうん傾向があるんだよね。
(そりゃ、意味がなく楽しいこともあるけど、それはあんまり仕事とは関係なさそう。女の子と遊ぶとか・・・)
だから、開発に関する諸学問や自分の見た経験は大事にしている。