今から数時間後、カトマンズを発ちます。バングラ日記も書き終わってないわけですが、南アジアに生きる人々のアイデンティティーについて感じたことを少々。 バングラはムスリム国家なのだが、中東と比べるとだいぶ世俗的だと感じた。特に若者は、ムスリムというアイデンティティーよりも、「ベンガル人」としてのアイデンティティーの方が強いようだ。 中東の友人たちと話していると、会話の中にクルアーンやムハンマドの話がよく出てくるのだが、バングラの若者との会話ではベンガル地方に伝わる歌や食事、そして言語に関する話題が多かった。(年齢があがると少々状況が異なるようで、ホームステイさせて頂いた友人の家のご両親は非...
...近況
今、カトマンズにいます。ここはコルカタやバラナシ同様、欧米&イスラエルからの観光客で溢れているわけですが、その土地特有の匂いみたいなものは未だ失われていないように感じます。居心地はかなりいいです。 カトマンズには31日朝まで滞在なのですが、今回はヒマラヤトレッキングをする時間がとれそうにありません。また来なきゃいけない土地が増えました。 31日にカトマンズからタイに飛行機で行き、そこからラオス・中国雲南省などに足を伸ばせたらと考えています。日本に帰国するのは4月15日です。しかし、4月の終わり~5月の頭にはルーマニアに急いでいかなければなりません。どうやら、担当すべきプロジェクトが現地...
...インド日記
先ほどネパール入りました。マオイストと国王との争いの中、道中30分おきに厳重な検問が行われてました。少しパレスチナを思い出しました。 さてバングラ日記は長くなりそうなので、とりあえずインド日記から。 19日の夜の夜行バスで、ダッカを出た。友人となったバングラ人が手配してくれたので、非常に楽だった。 バスの中でも国境でも、バングラ人でもインド人でもない「外国人」は私たちとドイツ人二人組だけだった。ドイツ人二人とはロードパーミッション(バングラ→インドに陸路で抜ける際はこれが必要)を取得する際も実は一緒だった。 あまり旅慣れていないらしく、道中「国境では写真を撮っても大丈夫なのか?...
...失いたくない風景
バングラのネット環境がよくなかったのと、時間がなかったこともあって、日記を怠りすぎた。とりあえずバングラ滞在記を書きます。ちなみに明日朝、ネパールのカトマンズ行きのバスに乗り込みます。二日かかるそうです。 二日間下痢で寝込んでから、ようやくバングラ観光を始めた。手始めにオールドダッカと呼ばれる旧市街に行ってみた。 やはり私の滞在していたボナニ地区は「外国人居住区」なのだなと感じさせられた。オールドダッカの名の通り、建物がとにかく古く、そして入り組んでいた。カオスという言葉がここまで似合う街もないだろう。 ここには外国人など一人もいない。道ゆく人々の好奇の視線がこれまたす...
...インド人
どうでもいいことなのだが、インドに来てから「インド人」だと勘違いされることが往々にしてある。 さすがに肌の色が違うので夜にしか起こらないのだが、買い物の時などに英語で話していると実は勘違いされているようだ。 「日本人だ」と主張すると、「父親か母親、もしくは祖父母あたりでインドの血が流れているだろ?」と聞いてくる。K氏はどこから見ても日本人だから、インド人が日本人を観光案内しているようにみえたりするらしい。 インド人の中には日常的に英語を使う人はよくみるし、よく考えてみると私の英語力も観光客相手の商売をしているインド人とほぼ同じぐらいだ。ここ三ヶ月ぐらい英語の勉強を怠らなかったため、英語...
...Why have you come to Bangladesh?
Why have you come to Bangladesh? 一日に何度聞かれたか分からない。それほど観光客の少ない国なのだ。 バングラデシュに滞在した十日間で、会った日本人はわずか5人。一人は青年海外協力隊の日本語教師、一人は日本語が使える(唯一?)ネットカフェにて、三人はバングラデシュ到着時の空港にてだ。 今日コルカタに入ったが、ここは日本人とイスラエル人だらけだ。旅に「非日常」を求める私としては、辟易してしまう。 前述の問いに対して私はグラミン銀行やBRACといったものに興味があるからだといつも答えていた。しかしよく考えてみると、一番初めにこの国に来たいと思ったのは、農村の女性が子供...
...バングラの農村へ
東南アジア日記第四弾です。今回は時間がないので、近況報告のみで。 ダッカの街は好きになれないけど、それと反比例するかのようにベンガル人の優しさには感銘さえ受ける。 道を歩けば、いろいろな人が親しげに声をかけてくる。 エジプトやヨルダンを旅したせいで、「こいつら何か買わせようとしているな」とはじめは疑っていた。 しかし、どうやら違うのだ。 少し汚い話になってしまうが、私はバングラで食費をほとんど払っていない。毎日のようにベンガル人家庭に行ったり、食事に連れて行ってもらったりしている。 昨日までの二日間、ダッカ大学で知り合ったタヒルというベンガル人の故郷の村に滞在していた。彼の...
...ケンジ失踪ス
今日の朝、某中東関係の団体の後輩Kとダッカで再会した。バンコク発ダッカ着の便が三日違いだったのだ。 ちなみに二日前から大学のクラスメイトT氏も、旅に同行している。 さて、一部の方々に大変ご迷惑をおかけしたあの件だ。バンコク、カオサン通りの宿に滞在中、K氏が昼まで帰ってこなかったのだ。夜もほとんど寝ずに後輩の身を案じた私は、とうとう日本大使館に連絡した。 「パスポートナンバーが分かると家族に連絡ができるから、調べて欲しい」大使館員は言った。「パスポートナンバーを知らないか」共通の知人にメールを打ちまくった。 それは正午前のことだった。ネットカフェから宿に戻る途中、カオサン通りをぶらぶ...
...バングラデシュにて倒れる
三日前、バングラデシュに着いた。 空港からタクシーでホテルへ。ガイドブックが不足している以上、これも行き当たりばったりだ。 タクシー運転手が道行く人に尋ねながら、ようやく一泊600円程度の宿を発見。 泊まるとホテルの従業員らが総出で私の部屋にくる。外国人がよほど珍しいらしい。 しばらくして、「女の買わないか」と誘われる。一回20ドルらしい。 最上階の食堂に向かう途中、ホテルに「備え付け」の売春婦たちを見た。七階の一室で男から声がかかるのを待っていた。 バングラデシュはイスラム教国でありながら、売春が堂々と行われている国だ。エジプトにしろヨルダンにしろ売春はあるのだろうけど、少なくとも「...
...タイの娼婦の物語
昨日の夜、タイに入った。明日空路にてバングラデシュに入る予定。 空港に着きゲストハウスに荷物を置くと、すぐに繁華街へと向かった。パッポン、ナナと言ったら、わかる方も多いだろう。 今回の旅はバンコクを基点として、一ヶ月半を予定している。 この旅で、一年間の休学期間中の目標である「ドキュメンタリー映画」製作の準備をしたいと思っている。前回東南アジアを旅したとき感じたことだが、アジアの性風俗が非常に興味深い。タイに関して言えば、「搾取ー非搾取」の構造にとどまらない多様さがある。(「ゴーゴーバーの経営人類学」と言う本が、経営学、人類学的な見地からうまく解説しているhttp://www.amaz...
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