今週のはじめ、高校に行った。当団体で8月に行うシンポジウム、交流会に先生・生徒に来てもらいたかった。
藤沢・鎌倉地区で下から三番目(当時)の、お世辞でも優秀とはいえない公立高校だったけど、先生方には本当にお世話になった。そんな先生方に、少しはマトモになった教え子の姿を見て欲しかった。
高校時代、家に居場所がなくフラフラしていた私に何かと声をかけてくれた先生がいた。出席が足りず学力が足りず、気力も足りない私になにかと目をかけてくれた。毎学期の期末テストの返却の際には、白紙で出した答案の裏にビッシリとメッセージが書き込まれていたのを思い出す。
そんな私も高校二年生の終わり頃、「このままでいいのか」と思うようになり明確な目的はなかったものの大学進学を考えるようになった。ようやく高三の冬頃から勉強を開始し、将来について真剣に考えるようになった。
そんな三年生の期末テストの答案に書かれていた言葉は、未だになんとなくではあるが覚えている。
「あなたはこれまで、家庭のことで悩み荒れ自分の人生を無駄にしすぎましたね。でもようやく気付いたようです。これからがあなたの本当の人生です。あなたは人の苦しみがわかるはずだから、この世界の中で起こっている様々な不条理に立ち向かうような人間になって下さい。」
こんな内容だったように思う。
世界で起こっているあらゆる紛争、不条理な物事に対し何かできるような人間になりたいと考え始めたものの、勉強など小学校以来しておらず先が全く見えないし、周囲の人間も私が本当に大学にいけるなどとは考えてもいなかった。
そんな中でこの言葉が、その後二年間の浪人生活の中でどれ程励みになったかは、表現しきれない。少なくとも、このときたった一人の言葉によってこれから起こりうるあらゆる困難に耐える誓いを立てることができた。
この先生は僕の卒業後別の高校に異動したが、それでも様々な思いが詰まっている。